日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2009年11月29日日曜日

最近の就職情報

先ほどのスレッドでも紹介したが、デジタルドメインで活躍中の鈴木ますお氏のブログ
* little things of mine *」で最近のLAのプロダクション状況が語られていました。

H1bが定員割れしているのは映像系の仕事が少ないという理由だけではないと思いますが、
大手スタジオの状況やアメリカ国外での状況が説明されているのを見ると、もうアメリカは終りつつあるのかとも思ってしまいます。

まぁ個人的には近くに緑の多い、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドのほうがいいかなとも思います。 カナダは少し寒すぎるかなとw
LAは乾燥しすぎてて、四季の変化も少なく、個人的に自然からうけるインスピレーションはかなり少ないです。(ヨセミテやグラウンドキャニオン、太平洋など大自然をみることはできますが)

ここまで緑が少ないと、子供のためにも、自然が多い方がいいかななどとも考えてしまいます。

話がそれましたが、ますお氏も日本にがんばってほしいと考えてらっしゃるようですし、同じドメインの坂口氏も日本に興味を持っているようですし、やっぱり日本を、この業界で世界的レベルで勝負できるまでにしたいところですね。
 

最新Nuke事情 「Dsitrct9」メイキング

先日のエントリ「District9」にSucchinさんからコメントをいただきました。

その中で、「District9」で使われたNukeコンポジットの手順を紹介したメイキング・ムービーを教えていただいたのですが、内容が凄いので別スレッドでまとめることにしました。

(メイキング・: fxGuideTV #71

以下Succhinさんのコメントをそのまま引用。
NUKEにてposition passを使ってpoint crowdの位置を決めてそこにcamera mapをしてNUKE内でRelightingを可能にして今まで以上にcomp時に実写との絵のマッチングを可能にしているんだと思います。


一見にしかずですが、ライティングの変更どころか、スペキュラマップ、マスキング(ロトスコープ?)まで実現しています。

おそらくアンビエント・オクルージョンや、鏡面反射、HDRIライティング、フレネル反射などのパスも可能だと思う。

いままで、3D側にてレンダリング時に設定していたことが、かなりの範囲でコンポジットソフト内で可能となる。

アイデア自体は今までもあったし、デプスパスやノーマルマップを使うことでリライトを可能にするプラグインなどもあった。
しかしPointCloudを使うというアイデアは(私が知らなかっただけかもしれないが)初めてお目にかかった。

「Point Cloud」についてもう少し調べてみましたが、つまるところ点の集まりと言うことでCGの世界では一般的に用いられている用語ということしかわからず。
建物などを3Dスキャンされたデータが点の集まりで出来ていますがそれらを「ポイントクラウド」と読んでいました。参考: http://www.geokosmos.jp/04/04b.html

ただしこのメイキング・ビデオの「PointCloudツール」は自社開発のツール。

このリライトシステムやNukeについてしらべているといくつか興味深い情報を発見。

デジタルドメインで、TDをされている鈴木ますお氏のブログ「* little things of mine *」にてNukeの開発元がKatanaというライティング・ツールをImageworksから購入という話が。
(ますお氏のブログ:Foundry Acquires Katana from SPI for Nuke 2
またNukeとは関係ないですが、BAKERY RELIGHT™についても紹介されていました。
(ますお氏のブログ:BAKERY RELIGHT™

こうしてみると、無くなることはないのでしょうが、ライティングはますますコンポジット寄りの作業になりつつあるなと思いました。
まぁ確かに最終的なイメージの作成はコンポジットなので、そこで変更が出来ると言うことは、微妙な調整もやりやすいのでそうなてくるのは当然でしょうね。

またテクスチャーベースでのモデリングについてもおもしろいページを発見。
レリーフテクスチャ

詳しく見てないのでわかりませんが、「District9」で使われている基本的なアイデアはこのようなものでしょうか。


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最後に、ビデオの要点をまとめ

Image Engineのコンポジット・スーパーバイザーが解説:

60%のショットがRedCam,残りはSonyX1,JVC,Toshibaのカメラが使われた。

PFトラックとBoujouを組み合わせてトラッキングしたカメラをエクスポートし、Nukeに取り込んで使っている。
プレートをカメラプロジェクションしている。

3Dエレメントは、ほとんどMayaで作業し、Rotoメーション、キーフレームアニメーション、いくつかはモーションキャプチャーを使って作成。
3Dlightでレンダリング、16bitFloatのEXRイメージで出力
3DelightのAOV(Arbitrary Output Variable) を使い、ビューティー、ディフューズ、カラーなどのパスを個別に出力。

AOVファイルについての説明は以下がわかりやすい。
AOV interface in RManLucille Development blogより)

311ショットをコンプ

基本的にNukeのテンプレートを作りアーティストは各シーンに必要なエレメントを読み込むだけではじめられる。

ビューティーパス、ノーマルパス、ST/UVパス、
ポジションパス(浮動小数点の値を持つイメージで、ワールドスペース内における各ピクセルイメージのXYZ値を格納。)
を自社開発ツールの中で有効に使っている。


--自社開発のツール--
<PointCloudeツール>
ビューティーパスとポジションパスを使用して、

Nuke内にOBJやFBXのような3Dのエイリアンを構築できる。


<リライトツール>
ポジション、UVパス、ノーマルパスを使う。

スペキュラツールとの組み合わせでスペキュラの調整ができる。
3Dソフトでやり直すことなく、スペキュラ、輝度や色などが調整できる。



<Radio3Dツール>
???(聞き取り出来ませんでした)パスを使用、このファイルはエイリアンのボディーのポイントのローカル座標をもっている。そのため、各ポイントはエイリアンのボディーに張り付いており、共に移動する。

エイリアンのある部分を選択すればそのマスク部分がエイリアンのボディーと一緒に動く。
これらを組み合わせて部分的なマスクを作ることが簡単にでき、スペキュラの調整などが簡単にできる。



<スプライトボリュームツール>
3Dホログラムのシーンで空中のホコリの表現に使われた。
パーティクル機能を使い、各パーティクルのサイズや見た目を変更するのも簡単。


<3Dヒストグラム>
黒と白、サッチュレーションを一致させるのに使われた。
ポイントクラウドツールを使い、3Dヒストグラムを作成。
サッチュレーション、ルミネ-ション、ディフーズなどのヒストグラムを3Dスペースでチェックできる。

 

みなさん、コンタクトありがとうございました。

ここ数週間で、様々な方からメールやコメントをいただきました。
コンタクト取って下さった方々、本当にありがとうございました。

日本の第一線で活躍されている方々の意見や考えを聞けるだけでかなり参考になり、いかに自分の考えが甘いかと言うことをあらためて考えさせられました。

<まずアンテナの張り方が全然足りない>
こちらでの仕事は専門分野に特化したほうほうなので得意分野をのばすほうがいいと思っていたが、やはり生き残るには広い範囲における専門知識とスキルを持っておく必要がある。

日本人は、技術的なものにとらわれすぎると思っていた。
そういうケースも多いのだと思うが、やはりプロの現場で活躍している人は、それだけに固執しているわけではない。
しかし限られた予算、短い時間、少ない労働力で大予算のハリウッド映画に挑戦し続けているわけで、そこにある時間的な問題を解決するには技術的なサポートが不可欠。
それにアイデアをCGとして完成させるには、技術的な知識は不可欠。
そのためにプロの現場で働いている人たちは、アンテナを張り続け、ハリウッドの予算も労働力も桁違いの作品に挑み続けている。

決して技術お宅なわけではないw

なので自分も安心して専門知識を得るためにより一層の努力をしていこうと思いました。



<仕事には英語が必須>
英語が出来なくても、ごり押しと運で仕事を得ることはできる。
しかしながらアメリカ(国外)でVFXの仕事をすることはできても、VFXという分野で活躍できる人間になれるわけではない。
アメリカで職を手に入れた当初はうれしいが、しかし自分が選んだ仕事を楽しくするには活躍できるよう自分の知識やスキルを高める必要があるし、なによりこの仕事は共同作業であるので、まわりとのコミュニケーションが十分にとれなくては何もはじまらない。
個人の能力をいかに高めても、それを披露できるプロジェクトに関わることができその結果を生み出して初めて有効だ。
ましてや、他者やソフト、パイプラインを管理していくポジションへの成長を望むならコミュニケーションがとれなくては、ちょっと便利な置物にすぎない。
雇用する側も、コミュニケーションが片言では、忙しい時期にはいらいらさせられるし、いざというときに思うようにコントロールできない不安がつきまとう。それなら多少レベルは低くてももう少しコミュニケーションが取れる人を雇うだろう。



<知識やスキルを効果的に取得するにも英語は必須>
日本の技術力は高い。
しかし、様々な知識やノウハウは、英語圏にもっと沢山ある。
それらがちゃんと理解できれば、より幅広い知識やスキルを得ることができるし、なによりスピードアップできる。
広く世界中から、知識を得るにはやはり英語が不可欠。


これからはまず、英語をのばすための努力をしていこうと思います。

みなさんこれからも宜しくお願いします。

 

2009年11月28日土曜日

District9

先日手に入った、「District9」のDVDをみた。

実は、さほど期待していなかったので、予想外によかった。
多分、高校生のころにみたら、かなりヒットだったかも。

期待していなかった理由は公開前にバンクーバーフィルムスクールがDistrict9に関係している人を紹介したビデオを流していたのだが、そのときにその学校の学生がVFXに関係していると勘違いして(実際は学生ではなくて卒業生が関係している)学生が協力しているならたいしたVFXではないだろうと思っていた。

それから短編のオリジナルをみて、ストーリーのポイントが今ひとつわからず、どちらかというとグロテスクな見た目と奇抜なショットが売りの映画だろうと思っていたのもある。

実際グロテスクな表現は多少スプラッタ映画を思わせるほどで、ここまで必要だったのかと疑問にも思うがエイリアンの武器の強力さを印象づけるには一躍買っている。

映画のレートは「R指定。(17歳以下は保護者の同伴が必要)」。
グロテスクな表現がネックとなって、子供が大きくなっても見せたいとは思いませんが、主人公とエイリアンとの関係の描き方は、よくできている。

「感染」でなんでああなるの?という少々幼稚な突飛さはあったが、ストーリー展開はおもしろく、脚本がとてもいい。

VFXは(学生が制作していたわけではないので)当然ながら良くできている。
ときどき、実写とのからみが甘くCGっぽさを感じる事もあったが、エイリアンのリアルさはもしかしてパペットを作ったのか?と思った。(実際作ってたのかな???)

5~6年前は、DVDでみるとCGの部分は比較的見抜きやすかった。
色が十分にマッチしていないせいか、映画館でみるとさほど気にならなかった部分が、DVDで家庭用モニターを通してみるとCGの部分が浮いて見えた。

しかしながらこの映画のエイリアンは、ノートPCの画面でみても、色つやに、おいてはほぼ完全になじんでいた。

他に気づいたこととして、「人って感情移入してくるとそこにある人の表情を注意深く追うようになるんだな」とおもった。
最初は、よくできたエイリアンだなとぐらいしか思っていなかったが、後半、主人公とエイリアンの関係をみるときに、エイリアンの細かい顔の動きを追っている自分に気がついた。

「映画制作」を勉強したことはないのでそういった観客の心理は知らないが、きっとそうなのだと思う。
将来VFXスーパーバイザーや自分のオリジナル作品を作りたいならそういった映画制作にまつわる知識も勉強しないと行けないなと思った。

みる前には予想が付かなかったし、見ている途中はそんな気分にさせられるとは思わなかったが、友情について考えさせられた。


さて、Wikipediaで「District9」を見ると、VFXの所に以下のような記述があった。

District9のエイリアンはWetaがデザイン、実際の制作やエフェクトに関してはWetaはAvatarで忙しかったため、代りのプロダクションを探す必要があった。
監督は、Tax控除で有利なバンクーバーを基盤とした会社を選択。

カナダのImageEngineが実際の制作作業を行った。

この会社は、それまで劇場映画を手がけたことが無かったので、この決定は「少し賭けでもあった」と監督は述べている。
Wetaは、マザーシップと脱出船のデザインをし、外骨格スーツのデザインはThe Embassy Visual Effectsが行った。

Zoic Studioが2Dワークを行い。
オンセットのライブSFXはMXFXが行った。

MXFX」は聞き慣れない会社だが、調べてみると南アフリカのSFX&レンタル会社。
Webサイトの「Features」に「District9」でやった仕事が紹介されている。


監督のNeill BlomkampについてもWikipediaで調べてみた。

1979年、南アフリカのヨハネスブルグで生まれ、16歳でアニメーションの仕事に参加し、18歳で家族とともにバンクーバーへ移住。2003年(24歳)にバンクーバーフィルムスクールへ入学。

2004年にポピュラーサイエンスの"Next century in Aviation"と"The Future of the Automobile"へイラストレータとして参加。 

ビジュアルエフェクトアーティストとして、「The Embassy Visual Effects」や「Rainmaker Digital Effects」で働いた。


とあるのでカナダのVFX業界のことはかなり精通していたと思われる。
Wikiでの説明では「District9」のエフェクトを任せたことを「少し賭け」と書いていたが、クオリティーには難ある物の、多少押せばなんとかなるだろうという予測はあったのだろう。


話がそれるが、おもしろい裏話がある。
原作となったショートフィルム「Alive in Joburg」でも、Neill Blomkampが監督をしているが、それをプロデュースしたのは「District9」で主役を務めるSharlto Copley

二人とも同じ高校を卒業しており、
監督が16歳のときにアニメーションをしたのはこのNeill BlomkampがTVプロデューサを務める番組。
それ以来、家族の延長のような親しい仲にある。
「Alive in Joburg」のなかでちょい役で出演したところ、その演技がピータージャクソンの目にとまり、「District9」で全編、通して主役を演じることになったらしい。

(元情報1:Wikipedia Alive in Joburg
(元情報2:Wikipedia Sharlto Copley
(元情報3:ブログThe Fantasium Journalより、0815 この夏の最高傑作「District 9」


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さて、カナダのバンクーバーにある会社がVFXに選ばれたと言うだけ有り、現地の学校「バンクーバーフィルムスクール(VFS)」の卒業生が40人以上、関係しているそうだ。


この学校のYoutubeのチャンネルには、関係者に的をしぼったインタビュー映像がアップされており、テクスチャー画像や、実際にCGソフトでの作業などもちらちらみることができる。


District 9 Interview (District9 インタビュー)
#1: VFX Executive Producer (VFX エグゼクティブ・プロデューサー)
#2: VFX Data Coordinator(VFX データ・コーディネーター)
#3: Creature Supervisor (クリーチャー・スーパーバイザー)
#4: Creature Texture Painter (クリーチャー・テクスチャー・ペインター)
#5: Lighting Lead (ライティング・リード)
#6: Effects Technical Director (エフェクト・テクニカル・ディレクター)
Director Neill Blomkamp (ディレクター)
Behind the Visual Effects (ビジュアルエフェクトの裏)



それにしてもカナダ政府の取っているTax控除優遇措置は、かなり功を奏しているようで、プロジェクトを国内に引き込み、プロダクションが成長するチャンスさえ手に入れている。

アメリカ国外の会社でも、すぐれたVFXを手がけることが普通になってきたが、もともとは、デジタルによる市場の拡大で、LAのプロダクションだけでは処理しきれないほどの仕事量が出てきたのが始まりだったのではないかと思う。

しかし、今はアメリカ国内でなくても十分な質が確保できるようになり、費用削減のために海外へ発注することが増えていったように思える。

昔、「自動車」を舞台としてアメリカと日本で起こったことが、VFXでも起ころうとしているのかもしれない。
「自動車」と違い、基盤となる配給会社はまだアメリカがメインだし、ブレインとなるディレクターやプロデューサーもまだまだLAに多いのでまったく同じにはならないだろう。

ただ、このようなことが増えれば、ますますLAの中小VFXプロダクションは自社を成長させるチャンスである低予算なプロジェクトを逃すことになってしまうのではないか? と思う。
また、
アメリカ国内のVFX産業はブレイン的な作業がメインとなり、下端の仕事は海外へ発注されることが増えるのではないか?

とも思うし、
海外で少なめの予算で同等のクオリティーが保てるとあれば、海外への流出をさけるために国内のプロダクションは受注の見積もりを下げざるを得ないだろう。

 
 

2009年11月26日木曜日

改訂:「UP」と「PIXARの小西園子さん」

昨日のエントリ「「UP」と「PIXARの小西園子さん」」に以下の行を付け加えました。

「小さい子供に見せるには、少々度が過ぎていると感じるシーンがいくつかあるのだが、それをのぞけば、おそらくいままでみたPixar映画では(自分の中では)最高のものだった。」


 

「9」

数日前からFedexの不在票があったので今日夕方に取りに行った。
何か買ったわけでもないので、これもオスカー審査用のDVDかと思ったが2通もあるので、一つは違う物かもしれないと思いFedexの引き取りオフィスへ出向いた。

いってみるとオフィスからはみ出すほどの長蛇の列。
30分ほど待っていると、店員から「オスカー審査用のDVDを待っている人は、おそらく今日は無理です。2万通を超すDVDがあり、探すのにとても時間がかかります。金曜日までに再配達しますので可能な人はそれまで待って下さい。」とのアナウンスが。

SonyやDDの近くのFedexだけに映像関係者が多く住む地域なのだろうけど、2万通はすごい。
見てみると並んでいる人の大半がこのDVDを受け取りに来たひとだった。
中には「いらない」と不在票をおいて帰る人も。

幸い自分の順番になったとき調べてもらったら二通とも見つけることができ、持って帰ることができた。
二通ともDVDで、「Coraline」「District9」「9(nine)」の合計3つもDVDが入っていて、ちょっと今年は嬉しかった。

「Coraline」はすでにみたし「District9」はさほど興味はなかったが、「9」は前から見たかったのでラッキーだった。


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映画のネタバレはしたくないので、ストーリーに触れない程度で「9」をみた感想をメモしておこうと思う。

人生の中で為になる言葉や話というのは、いつ誰が効いても為になると言うわけではない。
適切なときに適切な言葉や話を、適切な手段でコミュニケートされたときにはじめて心にしみいり、そのありがたみを感じるのだと思う。

それを受け取る側の準備が整っていなくてはならない。


「臆病になると、恐れで人をコントロールしようとする」
というのはいままで、いろんな映画やストーリーで目にしたことがある。
ほぼ定番と言ってもよいキャラクター設定だ。
しかし、そのことがわかったつもりになっていたが、今回「9」をみて、それをより人生に密接に感じる事ができた。


また、「臆病になると何かをする適切なタイミングも見えなくなる。」んだなと思った。


子供を「恐れ」でコントロールしようとするのは一般的によく行われていること。
そんなことは無いと思う方もいるかもしれないが、
「そんなことすると痛いよ」「おばけがくるよ~」とか小さいときからよく言われることだ。

そんなとき、親は普通のことと思っているかもしれないが、
この「9」にでてくるナンバー1のようになっているのかもしれない。
子供にはそのように映っているのかもしれない。

それは親の失敗や恐怖、人生に対する失敗への恐れなどを反映してそれぞれの家族ごとに
その程度や、適応される状況や対象がことなるだろう。
しかしそのとき子供に植え付けられるのは、恐いからしないほうがいいということではないのか?
大人になったとき、恐いことはしないほうがいい、そういう考えが心の奥底に潜んでいるのかもしれない。

最近の統計では、幼児期に恐れを抱くことがなかった子供は、20歳までに犯罪者となる可能性が高いという統計もあるので
恐れを抱くこと自体は悪いわけではなくむしろうまく使えば有効なのだろう。

しかし、それはやはり子供に対しては注意深くやらなくてはいけない。
親の勝手で、コントロールするために使っていては、結局人に使われる人間になってしまうのではないだろうか。


子供に選択肢の多い、よりよい人生を望む親は多いが、それができるのは皆が期待しているよりは少ない。

それは、自分がが親になるときにはすでにそういったいつも日常で感じている恐怖の対象が何かと言うことがわからなくなっているほどにぶくなっているから。
自分が何に恐れを抱いているのかもわかっていないのが普通の人なのかもしれない。


子供が自分の人生を自分で選択し、いろいろなことにチャレンジできる人間になってほしいなら、
まず、親自信が人生に対する失敗への不安を乗り切ることが必要なのかもしれない。

それをせず、知識を詰め込むことと、学校のシステムに押しつけることでなんとか使用としてきたのがいままでの日本での教育かもしれない。
(知識を詰め込むことが重要とされているのは日本だけに限らないが)

やはり一番の教育者は親であり、子の人生の見本は親もしくは身近な人である。
もちろん完璧はありえない。
でも何か一つでも、自分の人生への不安を乗り切るすべを身につけ、
平常心をたもてるような人間に近づけるよう努力しないと行けないなと思った。


そういえば、「クリスマスキャロル」の冒頭でコインを死者の目におくシーンがありますが、なぜだろうと思い調べてみました。
Yahoo知恵袋「死者の目の上にコインを置く…映画で何度かそういうシーンを見ました。あれはどうい...

 

2009年11月25日水曜日

クリーチャーデベロッパー:山口圭二氏

トランスフォーマーの変形を手がけたことで有名なILMクリーチャーデベロッパーの山口圭二氏についてのリンク。


Business i. : 海外で活躍するクリエイター CGスタジオILM・山口圭二氏に聞く


【インタビュー動画付き】映画『トランスフォーマー』を陰で支えた天才は日本人だった!

この動画インタビューを見るとこの方はいろんなことをやったんですね。
リギング、シミュレーション、デザイン...。


米CGプロダクション「ILM」の山口圭二氏インタビュー。


ブログ:はみだしオヤジの起業・夢追いセレナーデ 「ハリウッドで活躍するクリーチャデベロッパ、山口圭二


こはたあつこの うわさの現場潜入レポ: ジョージ・ルーカスが生みの親、ILMをご訪問~! の巻

Autodesukカスタマープロファイル:Industrial Light & Magic クリーチャーデベロッパ 山口圭二氏


クリーチャーデベロッパーというのはいろんなことが出来ないと行けないみたいですね。
しかもただの技術的なことだけでなく、映像効果を考え、アート面をどのように技術的なものに還元していくかとうことを基準に考えていく必要があることがよくわかりました。
やはりアートの基礎はしっかりしておく必要がありますね。

なんか最近は日本人アーティストに関するスレッドが多いですが、やはりいろんな人の体験や考え方というのは刺激になり参考になります。

 

「UP」と「PIXARの小西園子さん」

(2009年11月26日に若干改訂)

Disneyからオスカー審査用「UP」のDVDが届いたので、やっと見ることが出来た。

「レミーのおいしいレストラン」も「Wall-E」もみておらず、「カーズ」以来のピクサー作品だった。

最初の10分はセリフも少なく、音楽と演出、そしてアニメーションだけでここまでできるのかと驚かされる。
質感もすばらしく、ただの技術的な進歩だけでなく、それ自体も効果的な演出となっているように感じた。

とくに前半はアニメーションと、その演出だけで見せてくれる。
小さい子供に見せるには、少々度が過ぎていると感じるシーンがいくつかあるのだが、それをのぞけば、おそらくいままでみたPixar映画では(自分の中では)最高のものだった。


さて、最後のクレジットも、こっておりずっとみていたが、ふとSonoko Konishという日本人の名前が目にとまった。
Character Modelingだったと思うが、ピクサーではたらく日本人ということで興味を持ちしらべてみた。

【PIXARの秘密】和を貴ぶ社風の総合力


もしかしたら以前に見たことがある方だったかもしれないが、改めて調べてみて驚いた。
ピクサー設立当初から作品に関わっている方で、「MR.インクレディブル」ではニュースキャスターの声優までやっていた。
(参照ブログ:魔法の世界にあこがれてつっぱしっちったよ。


VESでも受賞された経験もある。
もしかしたら、この受賞の前年にもVESの授賞式に出席したが。
その時にもにこられていたかもしれない。そのときには遠目でみただけなので、日本人かどうかわからなかったがアジア系の女性はめずらしかったので記憶の片隅に残っている。

6歳で映画「スターウォーズ(1978日本公開)」に衝撃を受け、高校時代に渡米したとのこと。
行動力ありますね。
アメリカで成功した人は、実力と共にやはりこの行動力が伴っています。
「いつか」とか、「将来は」とかではなく「今やろう」「今なにができるのか」をベースに行動されているような印象を受けました。
同じく「スターウォーズ」で衝撃をうけても、30過ぎまで何もしてこなかった自分の行動力の無さはなさけないです。

それにしてもこの記事を読むとPixarという会社自体もとても魅力的な会社ですね。
こっちの会社では、スナックコーナーがあったり、社内を誰かのペットの犬があるいていたりとかは普通にあるのですが、Pixarには、ピクサー大学というのもあるらしく、彫刻、脚本、ヨガなどいろいろな事が学べるらしい。
将来はピクサーに行ければいいなと、無謀な期待を持ってしまいます。

それにしてもピクサーの社風はすばらしい。
もちろん、忙しいときやたまには、社員同士険悪になることもあるのでしょうが、きっとそれでも仲直りできるような社風なんでしょうね。

いまの職場で働いてて、思うのは目新しい人には丁寧でにこやかに接してるんですが、いざ内部での会話となると文句タラタラ、クライアントを批判するなどというのも目に付くありさま。
(注意:私が関係してきた職場の話です。それ以外の会社での経験はないので一般的かどうかはわかりません。)

人の文句や批判は効いているだけでネガティブな気持ちになるので好きではありません。
かといってそれを真っ向から否定して対立する気もないのでスルーしてますが。
どちらにしても、自分の可能性を極限まで試そう!とか、もっといいものを作ろうというような前向きさはくじかれます。
正直、それが嫌で転職を考えているのもあるんですが...。

聞いた話だと、Sonyやリズム&ヒューズでは多少ポリティックだったり、年功序列的な雰囲気があるらしい。
ピクサーは生涯契約となるらしいので、それと較べると自分の場所を確保する必要がある会社ではのんびり構えていることもできないので、そうなってしまうのかもしれない。
そういった雰囲気がないなら、アーティストにとって、ピクサーは働くにはまさに最高の場所ですね。

最後にYomiuri Onlineで連載されていた「PIXARの秘密」への全リンクと市村佐登美さんのブログ「Long Tail World」からピクサー関連のリンクをまとめました。

Yomiuri Online 「連載 ジブリの挑戦/ピクサーの秘密

「Long Tail World」

2009年11月24日火曜日

core i7 Laptop (2)

いつも新しいPCを購入するまではパソコンの情報は何も調べないので、
最近の情報に疎かったが、少しづつ現状がわかってきた。

なぜか年末商戦にむけてのcore i-7 ラップトップのラインナップがいまひとつなのが
気になっていたが、今日少し見えてきた。

現在core i-7モバイル版を搭載したハイエンドクラスのラップトップはいずれも、最上位機種ではない。

最上位機種はまだCore2Quadなどの一世代前のCPUを使った物になっている。
Core2QuadExtreamなどの最上位CPUがまだまだパワフルであるのと、それらの機種を求めるユーザーには
Core i-7はまだコストパフォーマンス的に悪いと感じられる可能性がある。
そもそも、さほど新機種を買わずとも、まだまだいけるというところだろうか。

メーカーとしても、最上位機種よりも売れ行きがよい(と考えれる)ワンランク下の2000ドル~2500ドル当たりのPCに
宣伝効果のあるCore i-7機種をもってきたのだろう。


もうひとつ気になったのはNvidiaの動き。
現在AMDにDirectX 11対応で後れを取っているNvidiaは来年早々にも新しいグラフィックスカードを発売しようと焦っている。
NVIDIAの次世代GPUアーキテクチャ「Fermi」搭載Teslaを公開


現在の予定では、DX11対応機種がでそろうのは2010年半ば。
Nvidiaロードマップ


おそらくそのころにはラップトップ用の新GPUが発売される予定なのかもしれない。

それを見越して買い控えをするか、若干安くなったCore2Quad機種を購入するかというのは微妙なところで、逆に言えば
最上位機種のCore2Quad機種の市場性はまだまだある。おそらく来年夏まで十分対応できるといってもよい。

それなら新しいGPUがでてそれに合わせて新しい製品を出したほうが、
開発費や設備投資も一度で済み、節約できる。

ただCorei-7機種を出さないよりは出したほうがいいので、一番コストパフォーマンスにみあっているクラスだけのものを出したのだろう。

そうなるとラップトップの購入は来年夏がひとつの目安になると思われる。


気になるのは、以下の記事
Fermi時代の製品展開が分かってきたNVIDIAのGPUロードマップ。DX11世代が出揃うのは2010年Q2以降に 4Gamer.net


3Dゲーマーにとってスイートスポットになるであろう,「GeForce GTX 260」や「GeForce GTS 250」の後継製品に関しては,現在のところ,「『D11E』という開発コードネームは聞こえてきている」というレベルで,実際の投入時期は2010年第2四半期以降となる見通しだ。

ゲーム自体もDX11に対応した物が出そろってくるのもその頃になる可能性は高いのではないか?(あくまで個人的な見解だが)
そうなると新ハイエンド機種のラインナップが出そろうのは来年の秋頃にずれこむ可能性もある。

最後になんでDX11にこだわっているのかというと、この画像(DX11ベンチマーク)を見たから。これを見たらDX11を待つしかないと思ってしまった。


 
まぁMayaのViewやレンダラーがリアルタイムのレイトレースやDOFに対応するというわけではないんだけど、将来的になんらかの形で使えるようになったら。
レンダリングしなくてもPlayblastでOKになるんじゃないかと馬鹿なことを考えてます。
実際、TV番組なんてこれぐらいのQuarityでればバッチリだし...・
 

 

2009年11月23日月曜日

レンダラー 「アーノルド」について

Sonyで使われている「アーノルド」レンダラー
自分が存在をしったのは2002年ぐらいで、発売を心待ちにしていた。
しかしながらホームページも更新されず、まったく新しい情報は入ってこなかった。

そのうちMayaでMentalRayが使えるようになったり、RendermanForMayaをはじめ、
いろいろなレンダラーがでてきて、いつのまにか存在を忘れていた。

ひさしぶりにその名前を聞いたのは今年2月のSonyでの面接だった。

そして、倉地紀子氏のレポートでその詳細が判明した。
(6)『くもりときどきミートボール』1/2
(6)『くもりときどきミートボール』2/2


個人的には、とても気になるレンダラーなので、少し調べてみた。
倉地氏のレポートによると、開発者はマルコス・ファラウド氏。

オリジナルサイト(in 3Dluvr)

メンタルレイとの比較画像 (現時点の物か、過去の画像かは未確認)


ついに市販情報も発見。
海外のサイトでもなぜかmissiah studioのサイトが紹介されていたのでなんでかな?
とおもっていたらこういうことらしい。

297 名前:名無しさん@お腹いっぱい。

renderのGI計算はアーノルドと同じアルゴリズムだが
シェーダー部分はpmGオリジナルなので、
maxでレンダリングしてたアーノルド画像と比べ
印象が異なるかもしれん。


上記の比較画像のスレを読むと、
SoftimageのメイリングリストでXSIバージョン・アーノルド・デモ版のことを書いてあったと。
早速探してみるとデモの映像があった。
元ネタはXSI Base Forumのスレ「 Topic: Arnold Interactive Renderer 」。
このスレは2009年10月18日にlard(XSI Base Expert)により、「このビデオは誰かが6ヶ月前にポストしていた物で見過ごした人のために(再度アップ)」ということで始まっている。
要するにビデオ自体は4月ぐらいのころの物ということになる。

倉地氏の記事によると「モンスターハウス(2006年)」で、すでにSonyでのファラウド氏の開発作業は終っている。

SonyでXSIを使っているかどうかはわからないが、「・・・ミートボール」では、少なくとも独自システムやプラグインのクロスやヘアシミュレーション(スパゲティーなど)がMayaのUI上で使われていたはず。

そうするとXSIでのベータ版というのは、Sonyでの開発を終えて、2006年以後に開発が行われていたのだろうか。









これを日本語で検索してみると
memlogさんのほうで、先月取り上げられていたようす。
ただ詳細はまだまだ不明らしい。

(2009年11月24日 一部改訂、youtube追加)
 








 

【倉地紀子のデジタル映像最前線レポート】

InterBEE onlineで連載中の【倉地紀子のデジタル映像最前線レポート】のまとめ。

「くもりときどきミートボール」は面接に言ったとき「アーノルド」を使っていると聞いて、「2003年頃にあった、あのアーノルドのこと??」と気になっていたが、その全容がレポートされていてすっきり。
やっぱりあのアーノルドのことでした。 w

倉地氏の著作「CG Magic:レンダリング」は、自分にはちょっと敷居が高いが、このレポートは興味が持続できるので最後まで読めます。

まだ全部よめてないので、今後のためにリンクをまとめておいた。

(1)映画「天使と悪魔」

(2)1/3 映画「ターミネーター4」

(2)2/3 映画「ターミネーター4」

(2)3/3 映画「ターミネーター4」

(3)1/2 映画「アイス・エイジ3/ティラノのおとしもの」

(3)2/2 映画『アイス・エイジ3/ティラノのおとしもの』

(4)1/2 映画『モンスター VS エイリアン』

(4)2/2 映画『モンスター VS エイリアン』

(5)1/3 映画『ナイト ミュージアム2』

(5)2/3 映画『ナイト ミュージアム2』

(5)3/3 映画『ナイト ミュージアム2』

(6)『くもりときどきミートボール』1/2

(6)『くもりときどきミートボール』2/2

(7)『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』1/2

(7)『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』2/2

映画『2012』 CG シミュレーションの新境地 (1)
 
映画『2012』 CG シミュレーションの新境地 (2)

映画『2012』 CG シミュレーションの新境地 (3)

映画『2012』 CG シミュレーションの新境地 (4)

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映画VFX最前線 ヒーロー映画のリアリズムを追う (pdf)
 

坂口亮氏

【倉地紀子のデジタル映像最前線レポート】

InterBEE onlineの最新のレポートでは「2012」での坂口亮氏の活躍がレポートされている。

それにしても凄い方です。
上杉祐世氏が創意工夫とねばりで運を切り開いていく師としたら、こちらは知力で道を切り開く師ですね。

この方がDDに入社するときのエピソードも凄かったですが、その後もアカデミー賞受賞など卓越した才能とはこういう人のことを言うんだなと思いました。
ブログを見ると、考えもしっかりしてます、1歩も2歩も先を読んでいるんだなと言う感じがする。
自分の考えていることなんて、まるでお釈迦様の手のひらでぐるぐるしているような感じさえしてきます。
 
未来を見据えて今を生きる。
言うのは簡単ですが、今を生きてはいないなと反省。

 

New Deal Studio 募集中 (3)

だめでしたw
やっぱり英語力かな。

英語力がなくても、もっとがんがんに自分をおせる性格ならOKだったのかもしれません。

「Mayaなんて、お茶の子さいさいですよ」みたいなことを面接で言って、
人事には好印象を持たれ採用された人間が、全然使い物にならなかったりしたことがある。

それよりは正確なことを言える人間のほうがよほど良いと思うのだが、あまりに慎重だとLAではそれは自信がない人間=>まかせるのが不安という図式になってしまうのだと思う。
(ただの思い込みであって欲しい~)

だからといって性格を変えるつもりもは、ないのし(そんな急には変わらないし)、嘘をつくきもないので、出来ないことは出来ないと言うし、まぁ気長に行くしかないかな。


GCの件もあわせて、どこか今ひとつ気持ちが定まっていなかったというか不安のほうが先に立ってしまい考えが揺れてしまっている。
今回、採用されなかったのもどこかでほっとしている部分があるし。

いまはネガティブなほうな流れが勝ってしまっているようです。w
精神力の弱さを痛感。
 

2009年11月22日日曜日

core i7 Laptop

そろそろ自宅のデスクトップマシンが最新ソフトについて行けなくなってきたのでサンクスギビングの年末商戦で、ラップトップの購入を考えていた。

いままでデスクトップの自作しかしたことがなかったが、
やはり狭い家の中で場所をとられるのが嫌で、使わないときはコンパクトになるラップトップの方がいい。
それにハイエンドの大型ノートはファンがうるさいと行っても現在のサーバー用ケースよりは音が静かだと思われる。
いまのデスクトップはデュアルコアとはいえ6年も前に作った物で、現在のラップトップならはるかにその能力を超えているだろう。


待望のcore i7 のモバイルバージョン(Clarksfield)を搭載したラップトップもいくつかでそろってきたし、
これから数年続くであろう、新バージョンのwindows7も発売になった。
真の安定性などは、おそらくwindows7Sp2ぐらいからではないかと思われるが、将来の保守性のことを考えるといまからXPは若干きつい感じがする。

いつもは、新しいOSに手をだすのはずっと後になってからで、XPをインストールしたのも最初のサービスパックが出てからで、
それまでは2000を使用していたぐらいなので、新しいOSに手を出すのはあまり気が進まないが、7自体はvistaのバージョンアップなので、もしかすると大丈夫かもという期待もある。

バージョンアップといってもエアロなどの見た目とGUIのレスポンスの改善、マルチタッチであり、肝心のOSの安定性に関してはまだリビューをみてないのでなんともいえない。


core i7を搭載したラップトップは各社とも、ハイミドルレンジでのラインナップとなっている。
もし可能であればQuadro搭載で17インチ(HD以上)を選択したいのだが、各社ともQuadroを搭載できるハイエンドはいまだにCORE2eXTREMEのラインナップしかない。
しかも、corei7を使用した機種のスクリーンは15インチサイズ(Asusは16インチだHDはない。)しかない。

メーカーとしては、不要なソフトがなく、最近は質がよくなってきたDell。
もしくは、(デザインは好きではないが、)グラフィックスカードのラインナップが多いAlienwareか。
もうひとつはAsusだがグラフィックスカードはよくない。
Asusは最近の評価では、東芝をぬいて、信頼性が高いラップトップ1位となっている。
Dellも5~6年前は散々だったが、いまは手慣れてきたのか以前ほどの悪評判は聞かない。
Macに関しては悪口を言うつもりはないが、使い慣れていないのとApple税を払うつもりはないので、選択肢から外した。

グラフィックスカードにはGeForce GT280Mを使いたいが、ラインナップは260M止まり。
Dellに至ってはRadeonしかなくAlienware意外に選択肢がない状況だ。

PhysXを使ったシミュレーションが仕事に使えないか模索したいので、Nvidiaのカードははずせない。
また将来、3D-coatの可能性も試してみたかったので、CUDAの機能もほしいと考えている。
しかし、Alienwareはどうしても、デザインが子供っぽすぎて好きになれないが性能には変えられない。しかも15インチ。

そんななかでSagerという見慣れない会社がだしている、
NP9280という機種だけ、280Mを搭載していた。しかも値段も他と比べて安い。

調べてみるとProstar社(こちらも知らないが)と姉妹会社で台湾にあるらしい。
そしてClevoという会社がSagerとProstarのすべてを設計しているらしい。
興味深いのがAlienwareのラップトップ51-Mは、Prostar5694と同じらしく、
ただケースを変えて$500も高くなっているらしい。

以前、友達がAlienwareを購入して二年もたたないうちに問題を抱えたのを考えると、
なんとなく納得できる話だ。

Alienwareが2006年にDellに買収されて、いまはDell配下になっているとはいえ、
サポート体制がDellのものになった以外なにか変更があったのかはうたがわしい。

おそらくAlienwareはいままでと同じ生産ライン、すなわちClevoの中身を使っている可能性がある。
ということは、信頼性に関しては、Sagerと同じレベルと言うことになる。

DellがClevoのラインに対して注文をつけて、品質管理が徹底されており、
Dellの基準にかなうものだけをAlienwareとして使用し、そのほかがSagerやProstarとして
使われているとしたらAlienwareの信頼性は若干あがる。

どちらにしても、ラップトップは購入後にグラフィックカードを変更したりできないし、パーツの変更もメモリやHDDといった物以外は
不可能だろうから、しっかりしたものを購入した方がよい。

おそらく来年の春か夏にはラインナップも増えているだろうから、今回は購入をあきらめ、
現在のラップトップをもう少し使いやすくするために、WacomのBabooでも購入することを考えている。

子供のピアノのレンタルも始めないといけないし、GCがうまくいかないと日本へ一時帰国するための費用もかかる。
どちらにしても無用な出費はおさえるべきか...。

2009年11月21日土曜日

「アバター」追い込み

「アバター」の追い込みの様子が「VFX Plante」に掲載されていたので一部を訳しました。
(Avatar VFX Crews Work "24-8", Pixar Expands, & Pitt's Dark Void...)

といっても英語力のない人間が訳した変な日本語なので、大体雰囲気がつかんでもらえれば勘弁してください。

まだ作業は進められているらしく現場は(8日/週。24時間/日)の忙しさだそうです。
8日/週というのは当然あり得ないことなので、もっと日数がほしい、日本風に言うと「猫の手も借りたい」というところでしょうか。

まぁ、エフェクトショットがまだ完成していない部分もあるなど、どっきりさせられるような内容になっていますが、ぎりぎりながら公開には間に合うということらしいです。

Wetaはかなりハードスケジュールと聞いていますが、まさに地獄のような日々が続いてるんでしょうね。


<訳>

公開されるまで一ヶ月を切ったジェームス・キャメロンの新作「アバター」は、その高価なスペシャル・エフェクトの奇抜な作品にまだ未完成のシーンがいくつかあります。


12月18日のリリースに間に合わせるためにかけられたプレッシャーは「24時間-8日」働きづめとなる地点まで上昇しました。
1週間に8日。
プロデューサーJon Landau氏が水曜日にLAでスーパーバイズの仕事をしていました、その休憩時間に話を伺いました。

「この映画の約30分がまだ未完成だ。問題は、サウンド・ミキシングからビジュアル・エフェクトのような、もっと深刻な側面にまでおよぶ。全上映時間はクレジットを含めないでも、2時間半から2時間40分の間にまで伸びる。」とMr.Landau氏は述べています。

この映画はパンドラと呼ばれる星へ旅立った、障害を持った兵士の話である野心的なSFです。
(略)


20世紀FoxのチェアマンであるJim Gianopulos氏は
「ポストプロダクションは、このサイズのフィルムには一般的な、とても忙しい最後の日々にあります。
しかしスケジュール通りに進んでおり、世界へのリリースにむけて準備が進められています。」と述べています。


フィルムメイカーがいまだにおこなっているいくらかの作業は、一般的なポストプロダクション作業、スコアリングや「カラー・タイミング」または、フィルム全体の色調に一貫性があるかどうかを確認する作業です。

しかしその他の側面、「ロードオブザリング」の監督ピーター・ジャクソンのエフェクトスタジオであるニュージーランドのWetaデジタルやそのhか7つのエフェクトハウスによって作られているスペシャルエフェクトのような、もっと基本的なプロダクションの要素も含まれます。

ぎりぎりでの修正は、プロジェクトにかかるコストを上昇させます。すでに、今まで作られた中でもっとも高価な映画になる道を進んでいます。
いくつかの要素が最終的な価格をきめるので、見積もりするのは難しいのですが映画の経費に詳しい知識を持つ人によれば、3億ドルを超えると見られています。

「アバター」はまだ完成していないので、かかるコストは日増しに増えています。
しかしながらニュージーランド政府による15%の税金控除は、20世紀Foxにあたる風をソフトにしてくれています。
(略)

「アバター」のようなほぼ全てがCGで出来ているような映画においては、元来のフォトグラフィーやスペシャル・エフェクトとの間に少し異なる意味があります。
アクターのイメージをコンピュータに取り入れ、グラフィックスソフトウエアで操作され再現されるモーションキャプチャー・テクノロジーを使います。


(略)
俳優はグリーン・スクリーンの前で撮影され、その動きは完全にCGで創り出されるキャラクターの基礎として使われました。
架空の惑星上の密集したエキゾチックな植物や動物のイメージは主としてWetaで創られました。
そしてそれは、ディレクターが各ショットの可否を決めるカリフォルニアにあるキャメロン氏のライトストーム・エンターテイメント社に送り返されました。

(略)
公開日が近づくにつれ、プロセスはより緊張した物になってきています。
いったん中心となる視覚要素がセットされたら、音響がそれに一致されなくてはなりません。
デジタルファイルによって3Dの映画を上映するシアターでなければ、フィルムを使ったプロジェクターのためにプリントを作らなくてはなりません。


MarketSawにてWetaのエフェクトは全て完了したとのニュースが掲載されていました。
Exclusive: Weta Is Done With AVATAR As Of TODAY!! Time To Hoist One!

 

GC Denied

ビザがあっても、ワークパーミッションの更新をわすれていた時期の仕事が違法とみなされ、GCの申請が却下された。

とりあえず移民局には、再考をお願いすることになったのだが、いまのままなら、長くて来年7月までしか滞在できない。
しかもワークパーミッションは二月で切れるので、再考の申請が受け入れられなければ、それ以降は、リーガルには働けないということになる。

予想以上に最近の移民局の外国人、締め出しは厳しくなっているようだ。

まぁ、弁護士によるともう一つの奥の手は、まだ有効だと言うことだがそれが使えるのは来年の7月ぐらいになるし、一児、帰国して日本の大使館へ面接に行く必要がある。
Oビザのことも考えたほうがいいと言われたが、それって最初に聞いたのにいまさら?!という感じ。

毎度の事ながら、こちらは弁護士まで泥縄式。
何か問題が起こるまでは小さな問題を見つけようともしない。
日本人ならあらゆる問題の可能性をさらけだして、すべてがうまくいくように解決策を最初から捻出していくという方法をとるのだが。
この点だけは、LAにいてどうしてもなじめない点だ。
もっとなれて、そのうち我慢出来る程度にはなるんだろうけど、おそらく一生受け入れることはできない習慣のような気がする。


さて、当初からまだ何か問題があるのではと思っていたので、やっぱりという感じもあるが、最近はすっかり安心していたというか、もうvisaのことを考えるのにつかれて、考えないようにしていた。
生活もやや、だらだらとしはじめ、日本に帰ったらどうかなとか?考えたりもしていたので、ネガティブな流れをひきこみ、天もこいつはアメリカにいる気がないから助けなくてもいいかなと思ったのかもしれない。

どちらにしても、自分がアメリカにいようとする意図を再確認し、再度気持ちを引き締め直す必要があるだろう。
幸運を引き寄せるのも、物事がうまく進むようにするのもすべては自分の決断が最初にあってこそ。
はっきりとした決断をし、生活態度をあらため、ポジティブな流れを引き込むようにしよう。

その上で、いまできることをすべてやるしかない。
そう考えると少し気が楽になってきた。
(なさけないことに、弁護士から帰ってきてからは何も考える気がしなくてずっと寝てましたw)
 

色の演算モード

CGブログ「succhin。」さんで、色の演算モードの一覧がとてもわかりやすく書かれていたので引用。
(参照: ブログsucchin。「color blend mode:色の演算モード」)


いつも、適当に使ってみて、よさそうなものを選んでいて気にしてなかったが、その理論というか働きに関しては理解していなかったことがわかった。

ちゃんとこれらの理論を理解して使えばもっと適切でスピーディーな選択ができるのではないかと思った。

ほぼ同じとは思うが、succhin。さんのブログは3dsMaxの解説らしいので念のため、PhotoshopやAfterEffectsの解説もないか探してみた。

非常にわかりやすかったのは
色の結合演算について - (がくのほめぱげ)


アニメ系の絵柄での説明だが内容によってはわかりやすい。
ブレンドモード詳説 (osakana.factory)


最後にアフターエフェクツのオンライン・ヘルプより
描画モードの参考資料
(まあここまで詳しく解説されると読む気も起きませんが...。)
 

IMAX 3D のベストポジション

いろいろと調べているとIMAX3Dは他の立体表示方法とは違う独自の物とわかった。
ようするに偏光眼鏡形式は将来も、かわらないということになる。

そうると、調整可能なのは、
1)自分のコンタクトレンズの視度調整(変更)
2)座る場所をもっと後ろにする。

コンタクトレンズは、とりあえず一段、視度が低い物を購入する予定。

座る場所はいろいろと調べてみたところ、いくつかのブログでおすすめの場所が書かれていた。

I列の真ん中(参照blog:リンク切れ Locus ~わたしがいる場所~

M列 エグゼクティブシート 2列目(参照blog: 猫の毛玉 映画館
他にもこのブログには重要な情報が...。
”最前列がスクリーンから近すぎるので、前の方のブロック(B列~E列)には座らない方が良さそう。”
”ベスト・ポジションはやっぱりエグ・シートの中央ブロック。その前後3列ぐらいの席がオススメだなぁ。”


プレミアム(エグゼクティブ)シートというのは初めて聞いた、うちの近所のIMAXにプレミアムシートという区分けはなかったような気がするが...。
ブロックの分け方も違うような気がする。


他にもこのプレミアムシートをおすすめしているブログが...。
プレミアムシートのベストポジションは、K列17・20番となります。(参照blog: ■□■たわごと■□■


クリスマス・キャロルの時は、平日の午前ということもあり、全観客は10名程度だったので
どこでも好きな場所に座れたのだが、いつもの習慣で、
最前列のブロックと後ろのブロックの真ん中を通る、通路から4列目ぐらい上がった場所。

やや前ぐらいのほうが迫力があっていいかなと思っていつもこの場所を選んでいたが、
2Dだったので気がつかなかったが、よく考えたらトランスフォーマー2も、画面両端は見づらかったような気がする。

上記のブログを三層にすると、前のブロックの最後尾がE列と言うことは、大体いつもG~I列の間に座っていると言うことになる。
こうして考えてみるとベストなのはいつも座っている場所よりもやや後ろ、J、K、Lあたりだろうか。

上記ブログ、「猫の毛玉 映画館」さんでもいわれている。
”ベスト・ポジションはやっぱりエグ・シートの中央ブロック。その前後3列ぐらいの席がオススメだなぁ。”
とうことなので、この選択は間違いではないだろう、視界両端をしっかり納めるにはやや後ろよりのM、K、Lがベストポジションになると考えて良いだろうか。

アバターは景色をながめることができるのが、みどろだと思うので、そのほうがいいかもしれない。

とにかく3Dでは、前すぎると視界両端では立体効果が破綻し、何が起きているのかわからなくなるような気がする。


とりあえず、プレミアムシートがよさそうだが、近所のIMAXを2箇所検索してみたが、チケット購入時にプレミアム・シートという選択支はでてこない。

英語のGoogle.comでしらべてみると
BFI IMAXというイギリスのIMAXシアターが最近、改装されてプレミアムシートができたらしい。
What's On at BFI IMAX
”Premium Seats (Centre block, rows L - S): Get the best seats in the house with wider, more comfortable chairs and relax with a perfect view of the screen.”
(訳: プレミアムシート(真ん中のブロックL~S列):より広く、快適な椅子に座って、完璧な視界でリラックスしましょう。

これによるとL列からS列(L,M,N,O,P,Q,R,S)の計8列がプレミアムシートということになる。

ask ville というサイトで
"Where are the best seats in an imax theater?"
という質問があり、その回答の中にいくつか興味深い物がある。

"i would suggest that you sit 2/3rds of the way from the screen to the back of the theatre" (翻訳: スクリーンから三分の二 ぐらいの場所)
2/3の後ろにある「rds」は「3」が分母は英語で
「Thirds」と言う。
Web上の制限からスラッシュで区切って横に並べる書き方では分数かどうかわかりにくくなるので
「3」の後ろに「rds」とつけることでこれが「Thirds」すなわち分数を意味していることに注意を促す表記になっている。
この単位「rds)がなにを意味するのかわからないが、おそらく三分の二だと思われる。
カメラの素子で「フォーサーズ」という単位があるが、それは4/3(約17.3mm × 13mm)の比率を表しており、言い換えるなら4対3ということであり三分の四のことでもある。
おそらくそれと同じで三分の二で間違いないだろう。



その理由も述べられている。

”Thohe 2/3rd’s is the position that the Mixing console is placed for the mixers to work at and where the Director of the movie sits to watch it when they are mixing the audio. So the audio is mixed for that position and the picture is good at that position. This works for almost all theatres, the surround sounds are balanced for that position. So I would strongly suggest you always try to get 2/3rd of the way towards the back.


The reason I know this is I have supervised quite a few Mixing (re-recording) at Fox and Universal and Disneye ”
(翻訳: 「オーディオ・ミキシングするときにディレクターが座る場所であり、ミキサーが仕事をするときにミキシング・コンソールを設置する場所だからです。
ようするに音響は、その場所でよく聞こえるように調整されているので、これはほとんどどの劇場でも効果がある。
サラウンドの音響はその場所のためにバランスが調整されているので、私はその場所を強くおすすめします。
これを私が知っているのは、私は20世紀Foxやユニバーサル、ディズニーのためにミキシングのスーパーバイズをしたことがあるからです。」)

これはなかなか説得力がある説明だ。
キャメロンも画面のサイズにはこだわりをもち、立体映像が座る場所に密接に関係あることを知り尽くした上で、「アバター」の制作をしている。
なので特に「アバター」にはこの考えがあてはまるかもしれない。

「スクリーン全体を楽に視野に納めることができます。
おそらく、IMAXの体験のいくらかは損なわれることになります。
スクリーンで起きていることは、一度に全てをみるように作られています。
ようするにこれがあるべき姿なのです。」

これも一理ある。


-------------結論---------------------------
総合的に考えてみると、
やはり画面から三分の二離れた場所に座るのがよさそうだ。
J,K,L列あたりが良さそうという推測ともほぼ一致するのではないかと思う。
もっと簡単に言うと真ん中よりやや1~2列後ろぐらいだろうか。

こればっかりは座ってみないとわからないが、立体映像で破綻無くみれるとすれば、全体を眺められる、やや後ろの席がいいのかもしれない。
立体映像がもっともよくみれる場所というのはスクリーンサイズとスクリーンからの距離に密接に関係があるらしいので、一概には言えないだろうが一つの目安にはなるだろう。


プレミアムシートの前列は、写真でみるとやや中心あたりから始まっているようだが
おそらくIMAXの迫力を感じるためのやや前方。そして、ベストなポジション、やや後ろでより全体を眺められる位置という配慮がされているのだろう。
これも、上記の考えからすると納得出来る配置といえる。

そういえば小中学生のころに通っていた地元の映画館には、100円だったか200円だったか払って、特別席というのがあった。
特別席は通常の席よりやや高い位置にあり、半分より後ろ、2/3ぐらいの場所にあった。

どうやら昔からこの場所というのは、ベストなポジションというのがこの業界では知られたことなのかもしれない。

---------------------------
調べてみると
Century city (AMC Century city 15)のIMAXは「IMAX 3D」
Bridge(The Bridge: CDL IMAX LA) のIMAXは「RealD 3D]
となっていた。
どちらも偏光グラスを使う方式だが、何か違いがあるのか調べてみたい。

(追記: よくみたら間違いでした。どちらもIMAXは「IMAX 3D」でした。
Bridgeの普通のシアターにRealD方式があるだけのようです)
 
 

2009年11月19日木曜日

仕事

ある会社での採用が決定。
まぁかなり短期の仕事ですがw
映画ではありません。

(追記:と思ったら月曜日まで返事は待ってくれとのこと。)

 

クリスマス キャロル

やっぱり仕事が休みになったのでw

クリスマス・キャロルをIMAXに見に行ってきた。

まず、英語がさっぱりわからなかった。
ジム・キャリーの発音がわかりにくいのか、早口なのか、それとも原作が古いので使われている英語が古いのか、とにかくわからなかった。
台詞が多いので、英語が聞き取れないとストーリーも終えなくなる。
(後でネイティブの人に聞いたところやはり、原作に合わせた古い英語が多いとのことでした。)

以前のポーラエクスプレスのわかりやすさに較べたら天と地の差がある。

とりあえずストーリーを追うのあきらめて、映像のみに集中することにした。

期待していた3Dだったがグラスは電子式ではなく、ポーラエクスプレスと同じ偏光グラス式。
以前にも書いたが、現在のコンタクトレンズは左右が一致しておらず、多少、立体感を感じられない可能性がある。


本編の始まる前に「アリスの不思議な旅」と「アバター」の予告を3Dで見ることができた。

「アリスの不思議な旅」は、まるで切り貼りしたレイヤーそれぞれに奥行きを付けたような3Dで、それぞれのパーツのDOFが一致して折らず、奥行き感がパーツによってばらばらな感じがした。
たとえば手前にある草などは木の板にはられた舞台の草のような印象さえうけた。
もしかしたら、まだ作業がそれほど進んでいないものを予告編に使っただけなのかもしれないので今後に期待。
よかったのは、webではわからないようなデティールが細かく見れたこと。
トゥードルダムとトゥードルディの肌の質感や、チャシャ猫の奥行き感などが感じられた。
最後にマッド・ハッターがテーブルクロス(?)を画面に向かって投げ広げるのは、立体視しずらかった。

「アバター」は期待が高かっただけに少しがっかり。
というのがグラスがだめなのか、座った場所が近すぎたのか、それともカメラやキャラクタのスピードが速すぎるのか、カットが短すぎるのか、立体感を思うほど楽しむことができなかった。
ただ、やはりwebの予告編ではわからなかったデティールを十分に堪能できた。
PC画面では気づかなかった奥行き感や、細かなところまでの配慮などが行き届いている感じ。
ほぼフルCGのおかげか、DOFも画面全体で正確で、カメラに近い場所にある手前の草までぼやけたなかにもDOFがある。

気になっていたパン・フォーカス気味なことなどもさほど気にならない。
気にすればやはり細部までフォーカスが合いすぎているのかなという気もしないではないが、そもそもIMAXサイズだと、画面全体までにはフォーカスが合わせられない。
フォーカスがあうのは、自分が視線を向けているあたりだけである。
同じカットでも視線を移動すれば、現実の風景を見ているのと同じようにそこにもフォーカスがあう。
そこでぶれたままだとカメラを意識することになるのだが、アバターでは、やはりその感じは少ない。
やはり狙った物なのかもしれない。(それとも気のせいか。)

やはり一つのショットのいろいろな場所に視点を移動してじっくり楽しみたいと思った。
しかしながら、映画である以上、一つのショットにずっと止まることなどないので、なんとなく不満感というか、充実しない感じがのこる。

これもアリスの予告編と同じだが、画面を飛び出す感じで近づいてくる物や、視界の外にあると仮定されて焦点があってないものがみずらいと感じた。



あとは本編の始まる前のいつものディズニー・キャッスルからDisneyへのロゴへかわる映像も立体になっていたが、パーティクルエフェクトが平面のレイヤーのままなのは少しがっかりした。


さて、本編のクリスマス・キャロルだが、ポーラエクスプレスと同じく雪のふる景色はかなり奥行き感を感じる。手前に落ちてくるものなど自分の顔に当たって「冷たい」と錯覚してしまいそうだった。
町を飛んでいくショットも、ところどころ臨場感を高く感じ、自分が飛んでいるような感覚をときどき感じることができた。

肌の質感はとてもいい感じ、産毛も再現されており、リアルよりもリアルすぎるので、不気味の谷を超えることは出来ていないが、自分はさほど気にならない。

看板や壁が時間の経過を一瞬で見せるために、老朽化していくのは好きなエフェクトだ。

難を言えば地面に触れた雪が一瞬でばっと消えてしまうのはいただけなかった。
着地して一瞬できえたようにみえてもそこに何かがあることがわかる程度の効果をつけてほしかった。

しかしながらやはりおおきく飛び出してくる物や、焦点が合わないほどカメラに近いものは見づらく立体感を堪能できなかった。

ドアノブのクローズアップなどは十分立体感を感じた。

ドアを破って出てくる精霊のショットで、精霊がでてくる直前に鐘がなり響くショットがある。
そのときに画面両端に鐘の一部が大写しになっているのだが、そのときその鐘に目を移動すればきちんと立体視できていた。

これで、立体映像を見るときに、(というより映像そのものを見るときに)人がちゃんと意識して見れている範囲は画面の真ん中に限られているということだとわかった。

意識して目を移動すればいろいろなところが立体視できるのだがカットがそれほど長いショットでなかったり、移動スピードが速いしょっとは難し。

最後の方で、火花が部屋全体にとびちるショットがあるが、これは動きが速すぎて立体感を堪能できなかった。
なんだかことごとく、立体感を感じさせるショットが外れなので、アバターまでに自分の問題なのか座る場所の問題なのかはっきりさせておかないと行けないと思った。

画面真ん中あたりで何かが起きてくれればわかりやすいのだが、少しでもはずれるととたんに立体感は減少してしまう。


アバターでは、電子式のグラス(無理?)であることを期待し、もう少し後ろの席に座ることにしよう。

 
余談だが、帰りに、サンタモニカ・ブルバード沿いのTesla Motorsのショールームをちらっと見てみたが、中身がなくなっていた。
車が無くなっただけでなく、書類や電話などもないので、引っ越ししたのか、不況のあおりを受けて倒産したのか?(後日見たら、また車をオープンしてました。模様替えの工事中だったようです。)

 

2009年11月18日水曜日

今何ができるか

映像に関する造詣が深い解説でおなじみのブログ「究極映像研究所」で「爆発素材専門の3D-CGショップ『Final Light』」というエントリがあった。
このサイト「Final Light」自体は、以前に「CGトラッキング」で紹介されていたので見たことはあったのだが、「究極映像研究所」のほうでは、もうひとつ興味が惹かれたリンクがあった。

Sell your Visual FX

同じ「Final Light」のページを紹介しているのだが。
なんと自分のビジュアルエフェクツを売ることが出来る。

今まで、モデリングに関しては自分のモデルを代理販売してくれるサイトがいくつかあり、最近では3Dプリントしたものを販売できるサイト(Shapeways)もでてきた。

しかしVFXに関しては、いくつかのストック・フッテージを販売しているサイトで申し訳程度にあつかっている以外には、みたことがなかった。

VFXは、カメラアングルや、ショットの特性に応じて、作られる事が多く、3Dモデルほど幅広い使い道があるわけではないので、仕方がなかったのかもしれない。

プロダクションでは、どのようなショットでも、パーティクルやFluidシステム(流体システム)、Dynamicsなどを使っているとすくなくとも数日はかかる。

爆発などになると、手間もかかるので、スケジュールに厳しいTVシリーズなどでは、以前からストック・フッテージが多用されている。
爆発のフッテージをマスクやスケールなどで、ショットにあうように加工され使われている。
最近では日本でのトミカヒーローレスキューファイヤーの記事でそのようなことが紹介されていた。

爆発はある程度形に添っていれば、指向性があまりなく、またなにかの対象とからめるにしても大体つつみこむようなものだったり、一瞬でおわるようなショットだったりとごまかしもききやすいので、一般的なストック・フッテージでも十分通用していた。

しかしながら、煙や光のような物になると、ショットのものとの厳密な。からみが求められたり、角度が一致していないといけなかったり、その番組特有の効果が必要だったりして、そのたび事に作る必要が生じてくることが多い。


「Final Light」で期待がもてるのは、このサイトで販売できると判断されるほどのものであれば、ある程度のクオリティーをもったものであることが期待できる。
そしてある程度のクオリティーをもったVFXが作れる人というのは大抵、数年の経験を持った人が多い。
経験者であれば、どのようなエフェクトが普遍的なものになり得るかというのはある程度、わかっているはずである。
結果として使い物になるストック・フッテージが集まるのではないかというのが自分の読みだ。


そして自分の技術とアイデアの限界をためし、世界的にも通用するエフェクトを作るチャンスでもある。
自分も、ぜひ挑戦してみたいと思っている。
(半分は、小遣い稼ぎになれば・・・と言うあさはかな思いではあるが)

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ここでふと先日の2chのことを思い出した。

2chのあのエントリに書かれていたかどうかは思い出せないが、日本のCG/VFXアーティストが話題にすることでよく目につくのは、「日本は駄目だ」「日本のクオリティーは低い」ということだ。

実際にCGに関わっていない、単なる観客であるひとがそれを口にするのは正しいと思うし、当然の印象かと思う。

しかしCG/VFXアーティストであるプロの現場で働いている人がそのことを100%本気で口にするべきではないと思う。

というのも、低予算と劣悪な環境にしては、かなり頑張っているようには思うからだ。
その裏方の努力をしっているのであれば自分のやった仕事のできをもう少し主観的に評価してほしいと思う。

せめて50%ぐらいの本気度で、「日本のVFXはやっぱりだめだな」という程度にしてほしい。
いいかえれば、「日本のVFXは駄目かもしれないが、この短いスケジュールでこれだけのものはできる」というふうに考えて欲しいと思う。

そして、「日本のCG/VFXは駄目だ」という愚痴をこぼすぐらいなら、自分の思うクオリティーの物をぜひ作って欲しいと期待する。
(そんな時間どこにあるんだという批判も聞こえてきそうだが...。)

実際、自分は日本のCG/VFXアーティストの多くは、それだけの技術力をもっていると思う。


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TV番組をメインに仕事をしてきた友人が映画関係の面接で「TVでは1~2週間だが、映画だと1~2ヶ月という長い時間が与えられる。その増えた時間をどのようにあなたは使いますか?」という質問をされたと聞いた。

この質問は、本人が「VFXを作ること」に対してどのような考え方をしているのかを知ることができ、その人の計画性、美意識などを知ることができる質問だと思う。

「TVだからこの程度の仕事しかできない」と公言するなら、まわりは、この人はよほど優れた人なんだろうと期待する。

ようするに実力があり、本来の能力を発揮できるだけの時間が与えられれば、映画なみのクオリティーの仕事ができるということで、それが時間の制限によってたいした仕事ができないと嘆いているだけのはずなのだから。

そうでなければただの不平不満であり、元を正せば人間関係に起因する物だったり会社の扱いが悪いという不平不満が正当化されたものだったりもする。
ようするに、それはその人の能力に基づいた冷静な判断ではないということになる。


まぁ、この点については、感情を逆撫でする部分もあるし、人それぞれだし、今ここで議論しても仕方がないので深入りはしない。


重要なのは、
1)ショット(VFX)の理想の最終的な姿を描き、
2)そこに必要な技術と手順をリストアップでき、
3)トータルの時間を予測できる。
4)現実のスケジュールにかなうように、上記の理想をできるだけ崩さずに技術と手順を単純化、省力化する。

以上のことが出来ているかどうかだと思う。

(これらが自分に出来ているわけではなく、理想的な姿を述べているだけであり、以下も自分の反省を込めて書いています)

時間の事は必要無いと思うかもしれないが、映画の仕事は無駄に時間を費やしているわけではない。
そこにかけられる時間には、それ相応の理由があってのこと。
それがわからなければいきなりレベルアップは無理だろう。

そして、これはどのようなときにも必要なことで、これが普段出来ていなければステップアップへのハードルが高くなるし、チャンスをものにできることも減っていくだろう。

逆に言えば、これがいつもできていれば
自分に何が足りず、どんなスキルを身につけるべきかがわかってくるし、自分の仕事を通してスキルをアップしつづけることができ、ステップアップの時期が自分でもわかるようになるのではないかと思う。

それに、そうなると現在の仕事がいかに低予算で、スケジュールが限られていても、それらを自分のスキルアップや経験を得るための好機会と捕らえることができ不平不満も減るのではないかと思う。

 

2009年11月17日火曜日

「2ch」に追記

2009年11月16日のエントリ「2ch」に2chのスレッドを読んだ感想などを追記。

2ch


 

ランプ・テクスチャーを使ったコントロール 2

実際の作業は、BlendShapeノードとanimCurveの分析から始まった。

ブレンドシェイプのウェイト値をペイントしただけでは変化はないが、それにキーを打った後、ハイパーグラフで見ると、blendShapeのインプット側にanimCurveTUというノードが複数接続されている。


この最後に付いているTUとはインプットのタイプが時間(time)であり、アウトプット・タイプが倍精度(doUble)であることを示している。
複数あるのは、それぞれのバーテックス毎にわかれているからだ。

通常のオブジェクトのアニメーションで、Translateだけにキーフレームを打つと、これがanimCurveTLという名称となる。(Timeとdistance)
(参照: オンラインヘルプ animCurve


このanimCurveTUノードには、
blendShape1_inputTarget_0__inputTargetGroup_0__targetWeights_359_
といったように非常に長い名前が付いている。

左側から
ブレンドシェイプ名
インプットのターゲット番号(?)
ターゲットのグループ番号
バーテックスID

となっているようで、最後にアンダースコア「_」で終っている。

そしてこれが同じ名称のblendShapeノードのアトリビュートにつながっている。
blendShape1.inputTarget[0].inputTargetGroup[0].targetWeights[359]

どうやらblendShapeノードには、それぞれのバーテックス情報を個別に扱えるようになっているらしい。
(参照: オンラインヘルプ blendShape


この接続自体は非常に単純なのでわかりやすい。
出力されるWeight値は、animCurveノードの値と現在のタイムライン上の位置から割り出される。


ためしにあるバーテックスに目星を付け、そのバーテックス番号を控えておき。
該当するanimCurveノードの「Keys」セクションにあるValueを変更すれば、
対応するバーテックスのウェイト値がかわるので、ビュー上でバーテックスがいどうするのが見て取れる。

ここでweight値のキーフレームは0~1の間で、たとえば「0.0863807」という細かな桁までの情報が保存される。


-----------
さてここまでで、以下の事がわかった。
1)各バーティックスはBlendShapeノードによって管理される。
2)BlendShapeノードは、各バーテックスのweight値をanimCurveノードから取得する。
3)animCurveの値は0~1の間の値をとる浮動小数点数(倍精度)である。


すなわち、animCurveノードでなくても、0~1の浮動小数点数を出力することができるノードがあれば、BlendShapeノードを通してバーテックスのweight値がコントロールできることになる。


rampと組み合わせるには、以下のようなことが必要になることがわかる。

1)rampテクスチャーが適用されたオブジェクトにおいて、各バーテックスのカラー情報(グレイスケール)を取得する。
2)その情報を出力し、BlendShapeの各バーテックスのコントロールへ接続する。
3)各バーテックスのカラー情報は、UV座標から得る。

 (続く)
 

「ランプ・テクスチャーを使ったコントロール」の一部改訂

2009年11月13日のエントリ「ランプ・テクスチャーを使ったコントロール」に、ブレンドシェイプ・ウェイト値のペイントについて詳細を追加

ランプ・テクスチャーを使ったコントロール

 

2009年11月16日月曜日

TV番組 Science -movies

おもしろそうなのでメモ
http://science.discovery.com/tv/science-movies/science-movies.html

2ch

先日、友人から2chで自分の作品のことが話題になっていると聞いた。

しかし、もともと2chはそれほど好きではなかったので、ほとんど2chのことはしらず、どこに書かれているのかも聞いてなかったのでそのままになっていた。


そのスレッドを見つけるのも大変そうなので、そのままにしておいたのだが、一つ前のスレッドでNew Deal Studioの検索をすると、2chのスレッド「【CG】特殊/視覚効果 SFX/VFXを語るスレ 」というのが引っかかった。

ちらっと見てみると結構、おもしろい会話がされている。

もともと2chがそれほど好きではないのは、茶化した会話や、意味のない会話が多く、必要な情報をみつけるのに時間がかかるということ。
過去スレが有料。しかもモリタボという訳のわからない名称に怪しさを感じざるを得ない。

しかし、このスレは結構おもしろそうだった。

しかし、全体を読んだわけではなく、ちらっと見ただけの印象なのであとでじっくり読むためにここにメモしておく。
【CG】特殊/視覚効果 SFX/VFXを語るスレ7【特撮】

【CG】特殊/視覚効果 SFX/VFXを語るスレ6【特撮】
【CG】特殊/視覚効果 SFX/VFXを語るスレ5【特撮】


友人の情報がどのスレでの会話のことを言っていたのかはわからないままだった。
少なくとも上記のスレにはなかった。


<追記>
7と6を読んでみたが、日本でVFXに興味を持っている人がどんなことを考えているのか、垣間見ることができた。
日本は駄目という人もいるし、日本人は優秀だが海外にいってしまうという意見もちらほらみられた。

自分も最初は日本は駄目だと思っていたが、実際には市場規模がちがうので、仕方がない部分があると今では思っている。
それを対等に比較するのは間違っていると思う。

その市場規模が違う中でハリウッドは何十年もやってきて、それぞれの分野での仕事も確立され、学校での教育もそれを目標としている。
しかも、世界中からすぐれたアーティストを得て、ふるいにかけている。

また、制作側はたとえCGアーティストであれ、コンピュータを扱うことよりも、まず「アーティスト」であることが重視される。
しかしながら、日本ではまずコンピュータを扱うことが重視される傾向があるように感じる。
それは個人の認識も同じで、CGにトライする人が作っているWebサイトは、美少女系、メカ系、どちらにしても「どのようにソフトを使うか?」「どんな機能を使うか?」ということの研究に時間を割いているものがほとんどだ。
CGに限らず、木工にしても、絵画にしても、このようなHowToに終始するサイトが多いのは日本人に多い傾向のように思う。
小さいころからいろいろなことがらを分析し、対策を打ち出すということになれておりTV番組でもそのようなものが多い。書店にもHowToものがあふれている、こちらではそれほど一般的な傾向ではないと思う。
それが悪いというのではなく、その利点は生かしつつ、もっと視野を広げるべきだと思う。

映画とは離れているが、日本において技術よりも、アート的な要素を重視し、自分のアートの目的のためにCGの技術を使っているのは、Zbrushでおなじみの吉井宏氏だと思う。
もっと映画業界に近い人といえば、Kenichi Nishida
これらはモデリングやキャラデザインの領域となる。

こういう人たちなら、十分な競争力をもった人と言えるのではないかと思う。

不思議とVFXに関しては、そういった個人のアーティストは世界をベースにみても少ない。
どちらかというと総合的な能力、技術的な知識が必要とされるので、一人ではとても満足行く物が作りきれないということもあるだろう。
どちらかというと、プラグインを作ったり、簡単なエフェクト作成ようのスクリプトをこつこつと作るような人がこの領域には多いようだ。

話をもとにもどすが、2chのスレッドを読んでいて、「インビジブルVFX」というおもしろい表現に出会った。
初めて聞いた表現だが、言いたいことはわかる。
日本独自の表現か、こちらでも使われるのかどうかは知らない。
しかし、自分の今までの仕事で、この言葉に当てはまるものは、片手に収まる程度の量しかないだろう。

そう考えると大手プロダクションですばらしいVFXを作っている人たちは、雲の上の存在のように感じる。

自分もそうなろうとしているし、そうならなくてはならないのだが、なかなか壁を破れないでいる。

 

New Deal Studio 募集中

毎年の事ながら、サンクス・ギビングを過ぎたあたりから、この業界(TVだけ?)はゆっくりになってくる。
映画とかで長期に仕事が確保されているのは別かもしれないが、テレビシリーズなどだと仕事が無くなる。

こちらはケーブルテレビでの放送が主流だが、1シーズンの放映が終ると、しばらく再放送が続く。
他にもスペシャル番組が組まれたりするのだが、そのスケジュールの組み方が、再放送を目的としているのかスタッフの休息と次への準備のために時間をとろうとしているのかはいまだにはっきりとはしない。

おそらく、後者のほうが理由だとおもうが、もう例年のことで、業界全体の雰囲気がそうなってくる。

ただし、その直前までは追い込みで忙しい日が続く。
業界がゆっくりになってくるので、その期間(大体12月後半)は仕事をしないと考える。
ようするにその期間が前倒しされる。
加えてテレビシリーズだとシーズンの最終回ということで、お金が掛けられることも多く、そうするとエフェクト・ショットも増えたり、壮大なショットとなる。

まぁ仕事が忙しいのはいいのだが、その直後から年始にかけて、仕事がかなり少なくなる。
場合によっては電話をするまで、自宅待機(給料無し)ということになる。

なので、年末年始はできることなら他の仕事ができるように布石を打っておく必要がある。

前置きが長くなったがそういうわけで、最近、人材募集掲示板に目を光らせているわけだが、

土曜日に、vfxPro.comの掲示板を見ていると、”Seeking Maya FX animator (Blastcode)”というスレッドが目にとまった。

条件をみると

ブラスト・コードの使えるMayaアーティスト募集中。
-コマーシャル、映画、テレビなどのCGポスト・プロダクションで3年以上の経験者
-Mayaライティング、エフェクト・アニメーション、基本モデリングに関する詳細な知識。
-ポジティブで、チームでの役割を受け入れられること。

もしパーティクルエフェクトで、難解なMelエクスプレションを求められるとよわいが、大旨、自分の条件は、ぴったり当てはまる。

しかも12月だけの短期。
今の職場からは、遠いが、許容範囲。

さっそく会社のWebサイトを見てみると、
スパイダーマン3,アビエイター、ナイトミュージアム2、ダークナイト、ホワイトアウト、ウォッチメン、ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝、アイアンマン、アイ・アム・レジェンド、ダイ・ハード4.0、X-MEN
を手がけていることがわかった。

気になると言えば、極最近の映画に関してはそれほど大作は含まれていないこと。
ショットデザイン(プレビジュ?)や、ミニチュアの部門での仕事も含まれていること。

今回が映画の仕事である可能性は無いのだが、もし今回の仕事で気に入ってもらえれば、将来かかわれる可能性もある。

それに映画関係の仕事がデモリールにいれることができれば、経験値がぐっとあがる。
知り合いの人でも大手のプロダクションへ応募したものの、映画での経験がすくないという理由で断られた人が何人かいるので、もし現在の、大手プロダクションへの就職活動が失敗に終っても、この会社での仕事が将来の足がかりもなる可能性は大きい。

もう一つ魅力的だったのは、ミニチュア部門をもっているということだ。
会社のデモリールを見ると、ダークナイトのカーチェイスを作ったらしい。
VESでたしか受賞したと思う。

ミニチュアは大好きなので、もし隣接する施設なら、見ることもできるかもしれないという期待がある。


ただ、今の職場を忙しい時期に抜けると、来年1月になって戻れない可能性が高くなる。
そうなるのもつらいので、ただ良いことばかりでもない。

とりあえず、応募はしておいたが、明日、会社で年末年始のスケジュールをチェックしておく必要がある。

 
ちなみに、VfxPro.comの同掲示板ではPixa(カナダ)での人材募集もあった。
カナダの人がうらやましい。

 

2009年11月13日金曜日

ディズニアニメーション募集中 (2)

結局、新しいデモリールは、水曜日のデモリール・ドロップオフ・イベントには間に合わず、木曜日の朝、完成。
AEからのレンダリングだけで6時間近くかかってしまうので、結局、新しいバージョンを作るだけで1週間近くかかってしまった。

最初は外部ドライブがUSB接続なので、そのせいかとも思ったが、ファイルをローカルに移動しても遅いので、PCが遅いという結論に到達。

もう6年以上つかっているPCなので、そろそろ替え時。
年末までには新しいi7を使った、ラップトップを購入しようとおもっているが、なかなか良いのがない。
ちゃんとしたハイエンド機がそろうのは、来年4月かもしくは8月ごろなのかな??


リクルートは、タイミングが非常に重要なので、遅れるわけにはいかない。
遅れるぐらいなら、昔のデモリールでも期日にまにあていたほうがいい。
水曜日の夜のイベントなので、それらが整理されチェックされるのは木曜日。
それには間に合う必要がある。

なので、水曜日の夜に、仕事用のホームページURLを募集ページから送っておいた。
これでも無いよりはまし。遅れるよりはまし、うまくいえけば木曜日の午前中には新しいビデオがアップロードえきる。と自分に言い聞かせる。

さて、新しいデモは、木曜日の朝にはレンダリング終了。
音飛びもなく、良い感じ。
家ではアップロードする時間がないので、会社にファイルをもっていく。

木曜日の日中に、会社でVimeoへアップロード。
しかし、会社からは、ホームページの更新ができず、帰宅後になった。

仕事中にホームページのアクセス解析をみると普段は1~2のアクセスなのに、
木曜日だけ「7」に跳ね上がっていた。

おそらくディズニーの人事担当者がみたのだと思う。

しかしながら、古いデモリールを見られていると思うと、すっきりしない。

この、土日にDVDを作成して、本社に発送して、新しいデモリールを見てもらう機会を作ろうと思う。
月曜日に発送しても到着が火曜日では、すでに1週間近く経過していることになる。

今回の募集もまたまたタイミングを逃したかもしれない。
しかし、送らないよりはまし。

がんばろう。
 

ランプ・テクスチャーを使ったコントロール

<2009年11月17日改訂 ブレンドシェイプ・ウェイト値のペイントについて詳細を追加>

Ramp テクスチャーを使ったコントロールができれば、いろいろなところに使えると、前々から考えていたが、今回、機会があったので、ここ2~3日ほど、チャレンジしていた。

もともとは、この考えを思いついたのは、ブレンドシェイプのウェイトをアニメートするときの不便さからだ。
AからBの形状に変化するブレンドシェイプを作成したのだが、全体が同じスピードに変化するのではなく、端から徐々に変化していってほしかった。

ブレンドシェイプには、ウェイトをペイントできる機能があるが、これにキーフレームを打つことができる。

操作は、
Animate >Set Blend Shape Target Weight Keysで対象のオブジェクトのブレンドシェイプがにキーが打てるようにする。
そして、Paint Blend Shape Weights ToolのTargetで対象となるオブジェクト名を選択し、ペイントする。
そのとき、Key Selected Target Weightsボタンをクリックすれば、キーフレームが打たれる。


しかしながら、実際にはキーフレームをうった時点で、ペイントされた各バーテックスごとに「animCurve」が接続され、そこに各キーフレームの位置でのウェイト値が保存される。
テクスチャーとして保存されているわけではない。
ちなみに、それら一群の「animCurve」のアウトプットは「BlendShapeノード」に接続されている。

なめらかな変化をだすにはそのキーフレームを手作業で操作するか、細かにペイントしながらキーを打つ必要があるし、それでもなめらかにするのは難しい。

「Paint Blend Shape Weights Tool」にはウェイト値をテクスチャーとしてエクスポート/インポートする機能がある。
自分で試したわけではないが、これでは、シーケンスの画像として保存するには各フレーム毎にエクスポートしてやる必要があるし、読み込み後には各フレーム毎にキーを打ってやる必要がでてくると思われる。

どの方法をとるにしても、細かな変更に即座に対応することはできない。


Rampを白と黒のグレイスケールで作り、それぞれのカラーハンドルの位置をキーフレームでアニメーションすれば、非常にシンプルになり、変更も簡単になるのではないかと思った。


これを最初の構想の足がかりとして、いろいろ使えそうなMelコマンドを調べ、なんとか形にしようと奮闘していたが、結果的には自分で完了さえることはできなかった。


ただ、基本的な構想は自分のアイデアだし、主なスクリプトの手順も自分のアイデアが採用されている。
そして、できたものも今のところ自由度は低いが、今回のショットには十分満足のいくものだった。

スクリプティングは完了できなかったが、発想や、アルゴリズムを考える力が身についてきたことがうれしい。
そして、それが他の人にも認められたことは、とても自分にとって意義がある。


うれしいことに、ランプテクスチャーを使ったコントロールとして始めたが、どのようなテクスチャーでもインプットとして使用できる。

そして、テクスチャーから取得された情報は、今回はウェイト値のコントロールに使ったが、
他にどのようなものにも渡すことができる。
オブジェクトの回転や、移動、スケールなどもテクスチャーでコントロール可能ということだ。

以前から考えていた、鳥の羽を自動で作成するようなスクリプトもこれを利用することが出来そうだ。

 

2009年11月6日金曜日

Fantastic Voyage

現時点では情報が少なすぎるのだが、「Fantastic Voyage(ミクロの決死圏)」のリメイクがそろそろ何らかの形で動き出しても良いころだと思う。

もともと、ジェームズ・キャメロンが監督に興味を示していたが、「Avatar」のために製作にまわり、ローランド・エメリッヒが監督することになった。
しかしながら脚本家組合のストライキにより、進まずローランド・エメリッヒは「2012」を作ることになった。
しかしながら、どちらも完成(おそらく)し、あとは公開をまつばかり、そろそろ次のプロジェクトの話が出てきてもおかしくないのではないかと思う。

ただし、例年のごとく年末はクリスマスなどで、仕事はほとんど進まない。
おそらく目立った動きがでてくるのは一月以降だろう。

「ミクロの決死圏」は小さいころに見て、とても気にいっていた映画の一つである。
そのリメイク作品には是非、関わりたいものだ。

いろいろ調べてみたが、まだどのプロダクションが何をやっているかはわからない。
なので推測になるが、ローランドエメリッヒの作品では、過去に何度か同じプロダクションが使われている。
Pixel Liberation Front(プレビジュ)、Hydraulx 、DigitalDomain。

一番良いのはDigitalDomainだが、Houdiniを勉強して、見せられる物をなにかつくっておく必要がある。


(2009年11月11日 追記)
鍋潤太朗さんのブログで、2012に関わったエフェクト・ハウスがリストされていたので追記。
(10月21日付エントリ「映画「2012」公開迫る(10/21/2009)」)

LAだけに止まらず、世界中のエフェクト・ハウスが関係している。
エメリッヒ監督の次回作の仕事が割り振られるか、もしかしたらある程度は予測可能かもしれない。
 




 

ディズニアニメーション募集中

vfxpro.comのjobフォーラムにてWalt Disney Animation studios が人材募集のイベントを開くことを告知。(リンク

募集内容は以下のとおり。

CG Animators
Technical Animators
Character Pipeline Technical Directors
Lighting/Render Pipeline Technical Directors
General Technical Directors
Lighting Artists (early 2010)
Lighting Assistant Technical Directors (early 2010)
Software Engineers, Pipeline Services
Software Engineers, CG Animation Tools
Software Engineers, Lighting & Rendering
Technical Support Engineers


とりあえず、リンク先へいって登録することが必要。
名前、連絡先などを入力後、(仕事に関係する)学歴、希望職種を第三希望までを入力。
アカウントがアクティベートされたら、仕事に関係するページが見れる。

これが便利がよくて、現在進行中のプロジェクト名とその概略、そして募集中の職種がみれるようになっている。
ポートフォリオとデモリールは、webサイトでもよかったのだが、更新してないので郵送することにした。


職種はどれを選べばいいのかわからなかったので、適当に選んだが、
エフェクトアニメーターは今回募集していない。
CG Animators と Technical Animatorsができそうかなと思ったが、
CG Animatorsって、キャラクターアニメーション?? DesineyAnimationは基本的に手描きのアニメなので、それでは出せない動きなどの補足としてCGキャラクタのアニメーションと言うことだろうか??
もしそれで採用してもらえるなら嬉しいが、うかる自身はない。

では、Technical Animatorは何をするのか、サイトのCareer In Animationのページで調べてみたが特に該当する内容はなかったが、アカウント作成後に現在募集中の職種からその職種名をクリックすると募集内容をみることができた。

責任範囲
*プロダクションパイプラインのすべての側面において密接に関わる仕事。とくにアニメーション、モデリングとライティングが3Dキャラクターのショットで、成功裏に完了できることを確実にする。
*階層構造になったリクのコントロール構造を構築する。
*キャラクターのボディー、クロス、ファーの動きや変形、ダイナミックスの調整。
*調整されたキャラクターアニメーションのコントロールやシステムを使うなどして、ソフトウエア/UNIX/Mayaの問題においてアニメーターをアシストする。

応募要項:
*以前のプロダクションでの経験もしくは、CGやトラディッショナル・アートにおける非凡なスキル/能力。
*3Dにおける、リグもしくは、(または)シミュレーションの2~4年の実務経験、
*C++、Python、Perlなどのスクリプトの経験
*スケルトンや、ソフトボディーやクロスを含む、すべてのデフォーマーに関して熟知していること。
*モデリングの経験と、アニメーションの原則を理解していること
*芸術家としての目
*アート、イラストレーション、CG,エンジニアリングまたはそれと同等の学士の資格はプラスになる。


---------------以下原文-------------------------
Responsibilities
* Work closely with all aspects of production pipeline, especially animation, modeling and lighting to ensure successful completion of 3D character shots
* Create a hierarchical rig control structure
* Modify character body, cloth and fur motion deformation and dynamics
* Assist the animators on software/UNIX/Maya issues as well as the use of implemented character animation controls and systems

Job Requirements:
* Previous production experience or exceptional artistic skills/abilities in CGI/traditional artwork
* 2-4 years of working experience in a 3D environment, doing rigging and/or simulation
* Scripting ability: C++, Python, Perl etc.
* Familiarity with skeletons and all kinds of deformers including soft bodies and cloth required.
* Experience in Modeling and an understanding of the principles of animation
* Good artistic eye
* Bachelors degree in Art, Illustration, Computer Graphic, Engineering or equivalent a plus
----------------------------------------

内容的には、アニメーターとシミュレーション、ライティングなどで、パイプラインにのせたときうまくいかなかった物の調整や、ショット毎のオプティマイズなどをする仕事のようだ。
大変そうだが、今もよくやっていることだし、興味が無いわけではない。
ライティングも含めて出来るなら、かなりおもしろいと思える。

ただ、自分の実力からみると、リグやスクリプトに関してはかなり弱い。その手の仕事が回ってくるとお手上げである。
別に放棄するわけではないが、解決するには時間がかかりすぎる。
雇用者側から見るとコストパフォーマンスのわるいアーティストということになってしまうので、悪評判をつくってしまうことにもなりかねない。

微妙....。

でも、理由を付けて引き下がっていては何も始まらない。
とりあえず応募してみよう。

 

2009年11月4日水曜日

プロフィールの変更

左にある「このぶろぐについて」の内容を修正、加筆しました。
 

プリンス・オブ・ペルシャ(予告)、タイタンの戦い(ポスター)

来年5月28日公開予定の、プリンス・オブ・ペルシャの予告編がついに公開。
リンク先には、二つの予告編があるが、下の1分30秒と短めなのはインターナショナル版(らしい)。
インターナショナル版はカットの仕方がちがい、若干長めにみれるカットもある。
Prince of Persia: The Sands of Time Trailer


プロデューサがパイレーツ・シリーズのジェリー・ブラッカイマーなので、期待のもてる作品。
元のゲームも好きなので、どんな映像になるか待ち遠しかったが、想像以上によかった。
予告編では、時間の逆転がみれないので、もしかしたら映画の最後のほうでの見せ場としてつかわれるのかもしれない。

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もうひとつは3月26日公開予定の、「タイタンの戦い」のポスター。
中学生のころにわくわくして、映画館でみた作品のリメイクとあって、どんな作品になるか興味があるが、反面、CGの多用で、ありきたりの映画のようになってしまうのか。
監督は、The Incredible Hulk,Transporter2のLouis Leterrier、どちらの作品も自分にとっては微妙な位置づけなので、脚本がよいことを期待しよう。

Clash Of The Titans Posters

でもポスターはかなり良い感じ。
雰囲気があって、映画に対する期待が高められる。


LAのプロダクションが関係していれば就職活動してみようかと思い、cinefexで調べてみたがどちらもイギリスのプロダクションがメイン。
リストに載っていないだけで、LAのプロダクション、ひょっとしたらILMも関係している可能性はあるので、要調査。
 

2009年11月2日月曜日

Avatorの映像と通常の映像の違い。

(2009/11/4 22:28 追記)

Avatorのトレイラーをみていると、どうしてもゲームのような印象をうける。
新しいトレイラーはコンプも調整されてよりよくはなっているが、なにか普通の映像との違いを感じる。
細部まで、作り込まれているだけでなく、細かなところ、遠方までけっこうはっきりと見える。

場面によってはパンフォーカスという解釈ではきかないほど、空気の揺らぎや大気によるブレも抑え気味だ。
とくに広い風景をみせている場面ではそれを感じる。

実際の映画を見たわけではないし、立体映像でもないのでなんとも結論をだすには早計かもしれないが、どうしてもその意図がしりたく推測してみた。
個人的な推測に過ぎないので、まったく違う可能性もあるし、単にに深読みし過ぎている可能性もあることを先にことわっておく。


まず、最初に思い浮かぶことは、これが立体映像を前提として、作られているということ。

遠方でも細部まではっきりと見えるのは、この映像を二次元の画像としてみているからで、
これを立体映像に置き換えた時にはちょうどよくなるのかもしれない。

もしかしたら、まるっきり逆で、キャメロンが異世界を堪能してもらおうと、細部まで作り込んでいるだけの可能性もあるが、その可能性
はわきにおいて考えをすすめてみる。

被写界深度によるブレはCGでも奥行き感をつくるためによく使われる手法だが、これはあくまでレンズを通してみたときの効果で、人間が肉眼でみているのとは、若干ちがってくる。

そのため、不自然さがあるが、二次元画像としてみているせいか、見慣れているせいかさほど気にならない。

しかし、同じ画像を立体映像でみると、ボケが気になってくることがある。
もっとそのあたりをクリアにみたいのにボケぐあいがかわってくれないというような感じ。
より体感を高めてくれるはずの立体映像という手段が、不自由さを際立たせるほうこうへ働いてしまっている。


人間が景色を見る時、その注意を置く場所によって、焦点に合いかたがかわってきてぼける場所もちがってくる。
注意を向けてないところはぼけており、それまでぼけていたところに注意を向けるとフォーカスが合う。

もしかすると、立体映像の効果を十分に得るには、その自由度が必要なのかもしれない。
そしれそれは、臨場感を高め、より空気感を感じることに関係しているのかもしれない。

キャメロンはAvatorはいままでの映像体験を大きく変えるものだと言っている。

もし上記で述べたことがあたっているなら、映画づくりがただの映像を見せることから、
環境を再生するという視点で作業するようになっていくといってもいいのかもしれない。

ただ立体で見せればいいというのではなく、そのあたりも計算し尽くされた映像だったら、たしかに映像体験はかわってくる。
自由の効く空間に自分が入り込んだように感じるだろう。


そしてその自由度を得るためには、ぼやけた個所を少なくし、細部まで作り込む必要がある。
それを平面の映像でみると、通常よりもパンフォーカスでクリアに感じるのだろう。
そして、細部まで作り込まれている画質はそれをよりいっそう際だたせる。

これはコンピュータは、ピンホールカメラの原理と同じで、被写界深度がない状態なので、そのままではすべてにフォーカスがあっった画像になる。
ゲームの画面は、それに該当し、上記の理由からAvatorの画像も似た印象をうけるのかもしれない。

(2009/11/4 22:28 追記)
映画アバター公開記念として、Avatorのプロデューサー ジョン・ランドー氏との対談がMSNに掲載されていた。(リンク

この中で、ジョンが印象に残ることを語っている。

「テクノロジーは三番目に重要な要素だね。物語、キャラクターと演技、それからテクノロジーだな。 」

VFXはテクノロジーに含まれるとういことかなと思った。
VFXは、物語や、キャラクターや演技に色を添え、より物語をわかりやすくするための技法だ。
「技法」ということは英語で言えば、「テクノロジー」という解釈でいいのだろうか。

ジョンはテクノロジーが無用とはいっていない。むしろ重要と言っている。
しかしながらそれは三番目の要素だと語っているのは、VFXアーティストとして心に留めておくべき事だろうなと思った。

最近は、「物語、キャラクター、演技」をさほど助けてないVFXが多すぎるせいか、映画をみていてもあまりおもしろいと感じる事が無い。
本当におもしろいと感じるのは数年に一本あるかないかという程度か。
まぁそれは年を取りすぎたと言うことかもしれないが、やはりVFXアーティストとして、VFXが映画全体でどのような役割と位置づけをもっているのかを正確に理解して仕事をする必要があるとは思っている。
まぁどちらかというと、監督や、プロデューサー、スーパーバイザーがそのことを理解しておかことのほうが重要だが。
彼らがそのことをわきまえていない作品はやはりおもしろくないし、そのような作品にかかわって、働いていてもおもしろくない。(全くおもしろくないというわけではなく、どこか気乗りしないような釈然としない感情がのころという感じ)

VFXを最大の見せ物として作られた映画は、すでに誰もが知っていることだが、ただそれだけのことだ。

やはり将来は、ちゃんとした作品にかかわりたい。
 
  

AVATAR に関する映像

いつのまにかYoutubeにオフィシャルのAVATARチャンネルが出来ていた。
そこで「James Cameron's Vision Featurette」という映像が公開されている。

キャメロンのこの映画を作るまでの経緯が簡単に語られ、色んな人が、映画やキャメロンに対するコメントを寄せている。
予告編にはない映像がかなり含まれており、粘土で作られたクリーチャーもちらっとだがでていて、個人的には予告編よりも楽しめた。


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またもうひとつ、ティーザーとトレイラーの画像がどのように変わったかを、比較したムービーがあった。

Avatar VFX Comparison - Teaser vs Theatrical Trailer from Gurisa on Vimeo.



やはりティーザーを作成した時点では、コンプがおいついていなかったようで、トレイラーではかなりクォリティーがアップしている。

下記は、上記のリンク元の投稿者のページにあった解説を翻訳したものです。
「8月の公開されたTeaserと10/29に公開されたTrailerを比較しています。
ハリウッドでは一般的にVFXショットは、ギリギリまで調整されます。
カラーコレクションからはじまり、アニメーション、ロトスコープなど、映画のデジタル映像を向上させるためにVFXのチームは質の向上に取り組み続けます。」

 
 

2009年11月1日日曜日

返品!! PogoPlug (最終回)

書き忘れてたので、その後の顛末を。

結局、テスト用のフォルダを作った物の何もアップロードテストに使われた形跡もなく、一ヶ月経過したころに、再度問い合わせたところ、ソフトのアップデートはしたかということを聞いてきた。

あきらかに技術とサポート部門の情報共有もしくは両者のユーザーのトラッキングがちゃんとされていない。
まぁ簡単に言えば忘れられている。

とりあえずソフトのアップデートはしたが、変化無かったことを伝えると、まだ返品したいか?と聞いてきた。

返品の意向を伝えると、RMAをすぐに送ってくれて、その後はスムースに返品処理が進んだ。
パッケージに含まれていた物をすべて返品する必要があるので、ずっと保管していたが、これですっきりした。
代金も1週間ほどで、返金されました。

結局問題はインターネット速度の問題と言うことで片付けられたけど、自分は外付けハードドライブの問題があるのではないかにらんでいる。
というのは、1TBのハードディスクにもかかわらず、内部が500GBのドライブ二つをストライピングで使っているという特殊な物だから、ファイルシステムの情報のやりとりに何らかの問題が生じている可能性があるということ、まぁサポートにも言ったけど、スルーされました。

まぁよかったのは、購入後数ヶ月たっているにもかかわらず、サポートの対応でこちらがまっていたということで、それは通常のことと認識しており、購入後一ヶ月の無条件返品が有効だったこと。
そしてその後の返品処理は非常にスムースだったと言うこと、これらの点では好感がもてた。

現在も商品のwebサイトは発展し続けており、サポートページにはいろいろな事例もでてきている。

将来製品の向上や似たような事例の解決ができていることが確認とれたら、再度購入することもかんがえるかもしれない。

しかしながら、現在の自分には家庭内LANで使うNAS機能以外には、ファイル転送サービスで十分のようだ。
 

シルク・ド・ソレイユ KOOZA

サンタモニカピアの隣接駐車場を借りて行われているKoozaを見に行ってきました。

結構前方の席がとれたので、よかったです。

ショーが始まる前から、役者があちらこちらで寸劇をはじめ、ショーの時間がはじまるにつれて、その寸劇がだんだん一目を惹くものに変わっていくところなど、実に気を配った作りとなっていることに関心。

ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ピエロなどが観客にいたずらしたりするのも、場合によってはけっこうひどいこともあり、これって被害(?)に合った人は笑うに笑えないだろうなという微妙な悲壮感がありました。
そのへんはやはり日本とは違うなと言う感じでした。

ショー自体はとてもおもしろかったです。
効果音と演技、そしてライトのシンクロがぴったりで、職人技を感じさせられます。

そして舞台装置の移行もスムースで、チームワークと細部まで気を遣った作りに感心させられました。


もちろん演技(?)もすばらしいもので、まさに通常ではみれないイリュージョンの世界が広がります。
個々にいろいろなショーを見せ、それを一つのテーマと言うか筋となるストーリーがあるので、世界観が統一されており、舞台美術のすばらしさも堪能できました。

個人的にはKoozaは、主人公にトリックスターが人間の子供時代、死、恋愛や結婚などのいろんな人生の局面をみせてあげているのだろうと解釈しています。

まぁストーリーは関係なく、十分楽しめるショーですが。

若干気になったのは、トリックスターとスリを演じている人がなんとなくパンフレットの人と違うような気が...。
まぁ気のせいかもしれません。

子供も、ずっと釘付けでした。
寝る前にも「楽しかったね」といってたので、楽しめたようです。

ショーの終わりにはみんなたちあがって拍手喝采でした。

また、数年後に新しいショーが来たら是非見に行きたいなと思います。

 

アバター トレイラー第二弾

Traileraddict

アバターの新しいトレイラーが公開され、以前よりも多くの映像を含めストーリー展開の一端をみることができるようになった。

最初のトレイラーでは3Dとしてみればすごそうだったが、映像自体の新鮮さにかけるような印象があり、期待に反した感じがあった。

しかし、今みてみると、個人的にはおもしろそうだと感じた。
ショットやVFX、個々のデザインという点でみれば、それほどでもないのかもしれないが、ショットのつなぎ方、デティールと、VFXなどの組み合わせるタイミングやカメラアングル、それらすべての点が組み合わされたときのバランスの良さを感じた。

簡単に言えば、VFXは最大の売りかもしれないが、
それだけで見せようとしているわけではないということが感じられ好感がもてる。

まだトレイラーだけなので、何とも言えないが、もしかしたら久しぶりにじっくり楽しめる映画のような気がしてきた。

今から待ち遠しい。