日本でハリウッドVFXを制作! 「経産省アイディアボックス」 結果:  
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2011年10月27日木曜日

キャメロンの新しいスタジオはVFXアーティストの大量雇用を生むのか?

ソース:PasteMagazine.com「Avatar Sequels To Shoot in Manhattan Beach, Calif.」Apr12/2011

ここで書かれていることをざっと見ると、キャメロンと20世紀フォックスがマンハッタンビーチ・スタジオとして知られていたMBS Media Campus のスタジオとオフィススペースのリース契約書にサインしたそうです。


585,000平方フィート(この記事では58000平方フィートとなっていますが間違いと思われます)のスペースで15のサウンドステージをもっているとなっています。
58万5千平方フィートとは、約5万4000平方メートル、坪数にして16440坪です。
1万坪がサッカーのコート4つ分なので、だいたいサッカーコート6つと半分ぐらいでしょうか。
(参照:10000坪はどれくらい?
ホテルニューオータニの日本庭園も1万坪だそうです。


サウンドステージというのは、映画の撮影などに使われるおおきな飛行機の格納庫みたいなところで音響処理がほどこされているところのことをそうよぶらしいですね。初めて知りました。(Wiki)http://en.wikipedia.org/wiki/Sound_stage
アバター時はこんな感じでした。
今回もキャメロンは改築のための投資をしているようです。


サッカーコート6.5個分の広さの所に15のサウンドステージを持っているって事は、サッカーコート一つ分に2.5個ぐらいのステージがあるって事か。
たぶん、全体の広さにはオフィスや、試写室、後述するジムなどもあるので、たぶん、サッカーコート一つ分に3~4ぐらいのステージがあるって感じでしょうかね。
なるほど大量のモーキャプを一気に平行して撮影するにはこれぐらい必要なんでしょうね。

MBS Media Campusはモーキャプの撮影に使われる予定だが、ライブアクションの部分もそこで撮影されるかどうかはわからないそうです。アバターでは、ライブアクション部分はニュージーランドで撮影されました。
キャメロン自身はニュージーランドで今回のライブアクションの撮影をするかどうかは定かではないとの事。

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今回のこのスタジオをリースしたのはいくつか理由があるようです。
前作のアバターを撮影した場所はPlayaVistaにあるHercules Campusということころですが、これは改築のために取り壊し中だそうです。(こちらは9万平行フィート)
(ソース1:Hollywood Reporter
(ソース2:Film




サンタモニカには、長年キャメロンが使っているライトストーム本部がありますがこちらは、約26万平方フィート。
キャメロン自身はマリブ-に住んでいて、アバター撮影中はサンタモニカではなく、こちらのPlaya vistaのほうでメインの作業をしたそうです。

ちなみに、このHercules Campusの名前の由来は、映画「Aviator」の最後に出てきた巨大飛行艇「ハーキュリーズ」からきている。



キャメロンはこのオフィスとスタジオを一カ所に合併することを望んでいるそうです。
まぁオフィスが二カ所にあるため、二つの箇所のタイムテーブルを気にして管理しなくてはいけなかったので大変だったみたいです。


ちなみにPlayaVistaからサンタモニカまでは5マイル
サンタモニカからマンハッタンビーチまでは12マイル。
各地点を地図で見ると北から南へ以下の順序で並びます。
マリブ-(キャメロンの自宅):http://goo.gl/Waj3J
SantaMonica(現在のライトストーム):http://goo.gl/pFKru
Playa vista(前作のアバター撮影所): http://goo.gl/3aW2c
マンハッタンビーチ(新しく借りたところ):http://goo.gl/dWQio


サンタモニカのオフィスは11.85ミリオンで売りに出されているが、キャメロンの話によると、彼の会社Lightstormがどこへ引っ越す事になるかという詳細は明らかにされていない。


前作アバターの時は二カ所合わせて35万平方フィート。
今回は58万5千平方フィートと約1.7倍のスペースになるようです。
しかも場所が一カ所にまとまるのでかなり楽。



MBS Media Campusはモーキャプの撮影に使われる予定だが、ライブアクションの部分もそこで撮影されるかどうかはわからない。
アバターでは、ライブアクション部分は、WETAのあるニュージーランドで撮影された。
WETAは続編にも関わる事を予測している(まだ確定ではない)が、キャメロン自身はニュージーランドでライブアクションの撮影をするかどうかは定かではないとの事。


一方こちらの情報(ソース:XYDO 5月25日付)では、キャメロンの会社ライトストーム・エンターテイメントがMBS Media Campusに115,000平方フィーとのオフィススペースの5年リース契約をしたとの話がでています。

最初に伝えられた58万5千平方フィートは20世紀フォックスと共同で借ると伝えられていたので、ライトストーム自体はそのうちの11万5千平方フィートを借りるようですね。
(残り47万フィート)

ここにはスタッフ用とキャメロンのプライベートという二つのジムも設立され、サウンドステージ、プライベート試写室も含まれているそうです。
プロダクションは来年の夏に始まると思われており、ライトストームはこの11月には引っ越しを始める。
ライトストームのスペースはすでに売りに出されているようです。


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アバター2と3のためにたくさんの雇用が生まれるという話があり、それに触れたキャメロンの話がありました。
(ソース:REELZ Channel
(700人を超えるスタッフが撮影やVFXに必要となるようです。)
「すでに新しいソフトやアニメーション技術の開発を行っており、マンハッタンビーチに新しいファシリティーを設立しているところだ、まだ死んでない人達はすでに戻り始めているよ」


鍋順さんもレポートしてますね。
【ハリウッド通信】ジェームズ・キャメロン監督が大規模VFXスタジオをLAに設立 映画「アバター」続編の制作体制構築へ ~700人規模の新雇用に期待~




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さてさて、ここまではプロダクション全体の話で、「アバター2」と「アバター3」という映画を完成させるために必要な事の話です。
私が知りたいのはVFXプロダクションの部分です。
しかもモーキャプ撮影やデータ・クリーンアップなど部分を抜いた、VFX作成部分。
VFXアーティストの雇用数が増えるのかどうかと言うことです。

その辺りは、まだ一切触れられていません。


これを現在のデータから推測できるかどうかトライしてみました。

前作の作業エリアは:合計35万平方フィート。
今回は        :合計58万5千平方フィート

差は22万5千平方フィート(20900平方メートル:6300坪)
1万坪がサッカーのコート4つ分なので、これだと半分強でコート2.5つ分ぐらいでしょうか。
サッカーコート一つ分に2.5個ぐらいのサウンドステージがあると考えると、6個ぐらい多いという感じでしょうか。
といってもこの計算が合っているかどうかわかりませんし、全部がサウンドステージではないでしょうしね。



ライトストームの場所は約26万平方フィートから半分の11万5千平方フィートに減少。
これは共有して作業できるスペースがふえるからでしょうね。

自分の推測では前作のアバターでは、ライトストームがコンセプトレベルのことを扱い、ライトや色やカメラアングルその他重要な指示をここで決めてその結果がILMやWetaに送られたと見ています。


今回増えたスペースに何がはいるのかわかりません。
2作目と3作目を同時撮影するとしたら、モーキャプ設営のためのセットは沢山必要でしょうし、そのために機器のセッティングやソフトの調整、データ管理、モーキャプデータのクリーンアップをする部署に、前作以上に人が必要と言うことになるかなと思います。

したがってスペースが増えるからと行って、モーキャプ関連以外のVFXアーティストの雇用が増えるかどうかと言うのは微妙なところです。


もちろん、Weta抜きで全部うちでやると行ってくれるなら期待できますが、DDの時のように永続的、本格的なVFXプロダクションを作成するわけではないような気がします。
リースは5年契約ですから、アバターの制作しか考慮に入れてないんじゃないでしょうか。

まぁ、それでも(アバターだけでも)コンセプトではなく実際にポスプロのエフェクトを最後までやるならうれしいところです。
700人近い雇用がみこまれていますが、そのうち大半は撮影や管理、モーキャプ関係のスタッフでしょう。

VFXアーティストがどれぐらい雇用されるかは、キャメロンがどういうやり方をとるかによりますが、
「キャメロンが新しい大きな会社を作る=VFXアーティストの雇用が爆発的に増える」
という図式は成り立たない可能性が高いと思われます。
もちろん、前作でも何人かはVFXアーティストが雇われたはずで、今回はその数も二倍以上に増えるかもしれません・
でも、まるっきりVFXをすべてやるほどの規模では雇われないと(個人的には)思います。



上記のソースからですが、
WETAは続編にも関わる事を予測している(まだ確定ではない)。
ということです。

2011年10月4日火曜日

アメリカ永住権抽選の応募について

アメリカ永住権抽選の応募受付が開始されました。
https://www.dvlottery.state.gov/

前々から、口を酸っぱくして言っているのだが、
ハリウッドで働くことに興味ある人は具体的にアメリカに行く予定はなくてもいいから
「とりあえず応募すべき!」
(もちろん、応募資格を満たしている人に限られる)


この永住権の「抽選」というのはどういう意味かわからない人も居るかも知れないが
読んで字のごとくで、応募した人の中から選んで、無料でアメリカの永住権を差し上げますという話である。

宝くじみたいなものである。

宝くじより良い点はお金がかからない。
たぶん、宝くじよりは確率も高い。(推測、未確認)


応募してみたら?と勧めても応募しない人は多い。
理由を聞いてみたら、どうやって応募すればいいかわからないという答えは別として
※)就職先が決まってない
※)渡米するお金がない
※)渡米して頼る人が居ない
※)また今の仕事を辞める決心がつかない
※)アメリカで仕事がしてみたいんであって永住したいわけではないから
※)結婚して子供も居るし....。(これは、少しわかる)

などなど当選後、渡米後の心配をして応募しないという人が多い。


宝くじに当選する前から税金の心配をして、宝くじを買わないというのと似ているかも知れない。


では、なぜそんなに強く勧めるのかというと、当たればもうけもの。
まぁこれも最近のアメリカの就職事情を考えるともうけものとは言い難いのかも知れませんが。
次のことを考えてみて下さい。



<永住権をもらう一般的なプロセス>
*労働Visaでアメリカに就職する。
*その期限内に永住権の申し込みをする。
*そのプロセスのステップに非常に時間がかかる。

長ければ5年待っても進まないという人も居るぐらい。
しかも申請する人が多くて、審査の順番を待っているというだけの理由です。
ようするに数年分の仕事が山積みになっていてなかなか追いついていないのです。

労働Visaは最大で5年有効ですが永住権の申請をしていると5年過ぎても毎年更新することができます。
ようするに労働Visaの5年という期間でとれないことがあるということです。
いいかえれば毎年更新するための書類手続きと数十万円の手続き費用がかかります。

また労働Visaは給料をくれる会社に属するモノなので、会社がつぶれたりレイオフされて転職するときには
会社を変わる手続きをしないといけません。
そうなるとその時、申請していた永住権のプロセスは白紙に戻ります。
もう一度最初からやり直しです。

現在のカリフォルニアのCG業界は非常に戦々恐々としており、労働Visaで働いていても首を切られることもあります。
永住権がとれるまで同じところで雇ってもらえるようにするには大変だと言うことがわかると思います。
また、いつそのプロダクションがつぶれるかもわかりません。

通常の手順ではこのように、長い時間、神経をすり減らすプレッシャーに耐えなくてはいけません。
そしてVisaの申請のための費用もばかになりません。

もちろん例外もあり、卓越した能力の持ち主であることが証明できれば1年で永住権がもらえる道もあります。
ただこれはなにか賞をもらったり、人に教える立場だったり審査する立場だったり有名な作品を作っていたりと
なかなか普通には難しいモノです。

なにより年々、Visaも永住権も審査が厳しくなってきています。
そもそも労働Visaももらえるかどうかわからないんですからねw


永住権に当選したら、こういった長たらしいプロセスを最終審査(面接)以外パスできるのです。
アメリカに入国するときも、Visaの列とは違うところにならぶのでプロセスも早いです(たぶん)。

もうひとつの利点は。
まぁそこまでしてアメリカで働きたいかどうかはわかりませんが。
フリーランスとしてアメリカで働ける。
ようするに技量次第で一つの会社に縛られずにいろいろな会社で仕事をすることが出来ます。

これは一時的に人を必要としているようなケース。たとえば数ヶ月だけ必要という場合。
これが以外と大手のプロダクションでも多いのですが、そういったときもVisaを取得する必要がないという
ことであれば働かせてもらえる可能性は高くなります。
ようするに現地人と同じ扱いですね。



<永住しなくてはいけないのか?>
永住権をもらうことのメリットはいろいろありますがわれわれにとって重要なのは
「Visaをとらなくても、アメリカ国内のどこでも働ける」
ということではないでしょうか。
その気になれば、マクドナルドのバイトも出来ますし、Fedexの配達も出来るでしょう。

永住権というのは、「永住しなくてはいけない」ということではありません。
永住権にも期限があり、更新しなければ無効になります。
またアメリカはいつでも永住権を取り消す権利があります。
もうこれ以上アメリカに住みたくないと思えば、権利を返上して日本に帰国できます。
届けを出せば、1年などの長期間、永住権を維持したまま日本に住むことが出来ます。

永住権はVisaなどを取得せずとも無条件で入国でき、居住し、働ける権利です。
いつまでも好きなだけ居て良いという権利です。

Visaではできませんが永住権があたればとりあえず半年ほど働いてみてその後のことはその時決めるかということも気軽に出来ます。(永住権がもったいないですが)



<永住権に当選してもすぐにもらえるわけではない>
永住権に当選してもまだ喜んでは居られません。

当選者は確実にもらえるプライマリーと、呼び軍であるセカンダリーに分けられています。
(プライマリー、セカンダリーという呼び方は正式ではありません、正式には番号が振られているだけです)

毎年5万人に永住権が与えられているのですが、当選通知がぐるのは10万人といわれています。
それは当選通知が来ても最終審査に通らなかったり、最終審査に応募してこなかったりという人が居るため
それを見越して送られてくるからです。

当選通知には番号が振られており、当選発表後に、毎月どの番号までの人が最終審査をうけつけてもらえるか発表されます。
今月は0~10000番までという感じです。

そして、ある程度の月がすぎたら「この番号以降の人はすべて審査受け付けます」という発表がされます。
これを仮に43000番としましょう。
ようするに43000番~100000番までのひとは審査受け付けます。ただし「早い者勝ち!」という感じですね。


この「すべて受け付け開始」の番号以前の人はいいですが、この番号以降の人はちょっとした遅れで審査を受けられなくなる(よいいうするに永住権がもらえない)可能性があるわけです。


このように当選してもこの過程を通り過ぎ、そして審査を通って初めて永住権がもらえるわけです。
そして今応募しても、当選発表は7月です。
審査が始まるのはモット先です。

ちなみにうちは実際の審査などの手続きをしたのは12月です。


まぁ当選したら急がないといけない。
ある程度お金が必要などというのはありますが、それは応募した後で調べても充分じゃないかなと。


1)そもそも当たるかどうかわからない。
2)当たっても永住権がもらえるとは限らない
3)当たったらVisaから永住権を申請するよりもはるかに簡単にもらえる。
4)毎年おくってれば当たる確率も増える。(かもしれない)



これがとりあえず応募しておいた方が良いんじゃないかとお勧めする理由です。
ちなみに今すでに永住権のプロセスを申し込みされている方。
保険の意味でこの抽選に応募しておいても良いと思います。現在のプロセスには何も影響しないどころか、もし当選すればそちらのプロセスはキャンセルして当選した方で先へ進めることが出来ます。

とりあえず応募して、当選後のことはそれから考えても良いんじゃないかなと思います。
宝くじを買った時って当選したら何しようって考えますよね。同じですw

それに、具体的にアメリカ行きのことを考えるよいきっかけにもなるかもしれません。




 <その他>
 永住権申請をお金取って代理でやってくれるサイトとかありますが、金の無駄です。
唯一の利点は日本語で手続きできることですがやることは自分で正規のサイトからやることと同じです。

アメリカで仕事したいんでしょう?これぐらい自分でやりましょう。
ダメならまた来年応募すれば良いんです。
わからないことは検索したり人に聞きましょう。


とりあえず参考リンク
アメリカ抽選永住権 DVプログラム
http://www.interq.or.jp/tokyo/ystation/americadvp.html

体験談!DVアメリカ抽選永住権 グリーンカードロッタリー 当選後の手続き
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/3712/



あと書くまでもないですがアメリカに少しでも行く気がある限り、
当たるまで毎年応募しましょう。


当たればもうけもの、あたらなくても何も損はしません。


それからご結婚されている方は夫婦二人で応募すると当選確率が二倍になります。


書き忘れてたので追記:
<当選したけど行きたくない。行けない>
自分の意志で決めて良いのです。
当選通知が来ても返信せず、その後のプロセスをすすめなければ自動的に無効になります。
当たったからと一定か無くてはいけない理由はどこにもありません。
そして、その後もまた応募することは出来ます。


追加情報:
IE6またはIE7でないと応募ページがうまく機能しない可能性があるとのご報告を頂きました。
OS、ブラウザによる相性問題にはくれぐれもご注意下さい。